イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

epilogueに始まり、prologueに終わる。

  • 投稿者: 蒼原悠   [2017年 11月 20日 17時 32分]
──想い人が、消失する。
そんな不可解な出来事が起きてから、数年。今や彼女の足跡をたどることのできる唯一の場所となった浜を、主人公の青年はその日も訪れる。
過去の記憶は波に洗われた砂のように消え、これからも遠ざかり続けるのか──。だが、浜で会ったひとりの老人に過去を打ち明け、途絶えつつある記憶と向き合ったことが、彼の中を、彼の世界を変えてゆく。

喜怒哀楽の感情の乗った記憶ほど、人は後々までそれを忘れることがないといいます。
人がものを忘れるのは、そのものに未来を縛られないため。──ならば、記憶とは何のためにあるのでしょうか。己の来た道を振り返ることには、どんな意味があるでしょうか。
幾度目かもわからない記憶の浜で、青年の目にしたもの、出会ったものとは。

あなたは、この物語の「始まり」と「終わり」を、拾うことができますか?
↑ページトップへ