イチオシレビュー一覧

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小鳥の歌を殺したのは誰だ。

ゾフィー・グリューンフェルダーには並々ならぬ才能があった。作曲も歌も非常に素晴らしかった。

しかし彼女がアッシェンバッハと結婚してより、籠はゆっくりと彼女を囲う。

才能があっても羽ばたけなければ、自由の翼はどこに行けばよいのか。

才能があっても自由に歌えないのなら、どこに叫べばよいのか。


時代が、夫が、世の中が、彼女にした仕打ちは、一体何だったのか。

これは現実では無いのか……?

そう思わせる程の現実味を帯びた心理に、ただ私たちは彼女の歌を叫びを聴くしかないのかもしれない。
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