イチオシレビュー一覧

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閉ざされた世界で、それでも生きる

 それは星空の国。そこで働くは男ばかり。

 昔何があったのかは語られない。だけど、味気ない世界でカイは生きている。

 
 ディストピアと聞いて、何を思うだろうか?
 過酷な世界も、淡々と延々と流れる時間も、人を食む。

 そんな中で、静かに動いた二人の世界は、きっと何か違うものが確かにあったのだ。

 月を見上げる我らのように、彼らは地球を見上げ嘆息する。

 きっと繰り返しても、生まれなおしても、君とは側にいる。だからそこだけは、閉鎖しててもいい。


 そんな静けさの中の文学。
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