イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

恋に落ちるのもいいですが、この恋に溺れてみませんか——?

  • 投稿者: 楠結衣   [2020年 08月 30日 13時 17分]
甘い砂糖菓子も素敵ですが、アフォガードのように苦みが甘みをより惹き立たせるドルチェもまた甘美な魅力を持っています——それが物語だったらどうでしょう?

この物語の不器用な主人公エレナの人生の苦みは、二通の手紙。
一通目は、頑張っていた軍人から広報科への異動辞令。
二通目は、婚約破棄された青年から別の女性との婚約披露の招待状。

感傷的な気持ちを抱えたある日、エレナは行きつけの酒場で異国風の衣装を纏った美しい歌うたいのヘルトゥに出逢う。ヘルトゥの言葉は傷ついたエレナを柔らかく包み、髪を優しく撫でるヘルトゥに甘く心を溶かされていく。ところが、なんでもこなすヘルトゥにも人生の苦みはあったようで……。

苦みと甘みが混ざり溶けあうように、ふたりの変化を楽しめ、時にはたっぷりのお酒で大人の味に変わるのも堪能できる——溺れるという意味のアフォガードのような物語、どうぞ貴方も溺れてみてはいかがでしょう?

スパダリイケメン×不器用堅物女子のラブロマンスが好きなみんなー!!!

  • 投稿者: 間咲正樹   [2020年 07月 08日 18時 32分]
みなさんはスパダリイケメン×不器用堅物女子のラブロマンスはお好きですか?
――私は大好きですッッ!!!!(真っ直ぐな瞳)

これぞ異世界恋愛のド真ん中とも言える、甘く切ない芳醇なラブストーリー!
読めば読む程主人公の不器用堅物女子に感情移入して、胸が苦しくなること間違いなし!!
そして本作を読み終えた時、きっとあなたの頬を感動の涙が伝うことでしょう……!
安心安全の完結済作品!!
是非ご高覧ください!

――更に、不定期で外伝も更新されておりますので、ブクマは付けたままにしておくことをオススメします!
噂では近々新作の外伝も更新されるとか……?
読むなら今ですよ!

最近なんだか何読んでもしっくりこないような……自分が疲れてるだけ?と思っている方におすすめです。

  • 投稿者: 有沢真尋   [2019年 05月 15日 22時 46分 ()]
 すこーし気持ちの疲れているときに。

 婚約破棄からはじまる物語は、端正な文章ながらも小難しくなくて、ふわっとその世界に入っていける仕掛けが用意されているから大丈夫。

 ほろ苦い経験、甘いお菓子、スマートすぎる美青年とのめくるめく優しい時間……と、癒し系みたいな文字列を並べてみましたが。
 ヒロインは武闘派だし、お相手は陰のある遊び人だし、番外編にはムーンライトへのお誘いありと決してお上品なだけのお話ではないことに驚かされます。
 だけど絶対に裏切らない極上のハッピーエンドが約束されているから、そこはなんの心配もありません。

 今日は少し疲れたなという方にぜひ読んで頂きたい小説です。
 

強い女は捨てられ、強い男に惹かれる。

  • 投稿者: 暮伊豆   [2019年 02月 20日 01時 49分]
婚約破棄。
ありきたりな物語?
そんなはずがない。
婚約破棄しても女から恨まれない男がいた。
婚約破棄されても相手を恨まない女もいる。

絶対王政が崩壊し、共和制、民主制へと移り変わる激動の時代。
そんな平和な時代において無用の長物と化した存在。
それは……軍人、そして旧王族。

互いに足りないものを補い合うかのように出会った二人。
パズルのピースがピタリとはまるように、歯車が噛み合うように。
甘さを持って動き出す物語。

素敵な旦那様と奥様に甘いお菓子を。

  • 投稿者: 退会済み   [2018年 06月 22日 21時 41分]
管理
吟遊詩人なんかに、まじめな軍人の子が惚れちゃダメーー!


でも、吟遊詩人ヘルトゥはたしかにモテますが、やっぱり心のどこかが傷ついていて、そこはやっぱり本当の、彼が見せない部分なのです。

女らしくないと、コンプレックスのあるエレナだけれど、そんな彼のとなりにいられるのは、きっと打算なんて頭の片隅にもないまっすぐな彼女だから。


最後はもちろんハッピーエンドなのだけれど、贈り物が形だけの指輪みたいな、相手を縛るものではなくて、一番叶えたかった夢の鍵なのが、本当に自由で等身大で素敵です。


最初はほろ苦、最後は激甘な恋のお話が読みた一番あなたに、ぜひおすすめです。

堅物女子と吟遊詩人の恋物語。語り方とテーマに品があり、一気に読んでしまいました。

  • 投稿者: 退会済み   [2018年 06月 22日 16時 54分]
管理
 甘いだけではないという、そこが大変グッドな恋愛小説と感じました。
 一話で婚約破棄を受ける主人公は、二十半ばを過ぎておりこの世界では立派な生き遅れ。また仕事上でも望まぬ転属届を頂戴してしまうという、踏んだり蹴ったりな状態で物語は始まります。

 その傷心中の彼女を慰めるようにして登場するのが本作のヒーロー、ヘルトゥ氏なのですが、彼の職業は吟遊詩人。さて古来から歌唄いというのは、一種水商売にも近しい職業と相場が決まっております(日本の芸者には娼婦という一面があったように)。
 ボロボロの状態で始まる主人公が、いかがわしい職業の男にかどわかされる物語として本作、恋物語としては少し苦い展開をしていくのですが……。

 私はこの話、『ある人にとっての欠点は別の人には良点である』、という裏テーマが流れているように思いました。その裏テーマが、本作の読後感をとても良い物にしてくれているように思います。

救われるだけのお姫様じゃいられない!

女としての自信を失った元軍人のエレナが出会ったのは、なんとも綺麗でミステリアスな吟遊詩人。
兎に角、男勝りなエレナの不器用なところがなんとも可愛い。
きちんとした恋愛など知らないエレナと、浮世ばなれした歌うたい。足りないものを補い合い、背中を預け守り合う比翼連理のエンターテイメントラブロマンス。
これを読んだらあなたは救われるだけのお姫様じゃいられない!

本編は完結済みで、すぐにでも最高のフィナーレをお読みいただけます。


勇敢と臆病は両立する

世の人に「あなたは自信がありますか?」と問うてみて、「はい。とてもあります」と答えられる人ばかりでは無いと思います。
この作品の主人公も、そうです。

もとからあまり自分に自信がなかったのに、見合い相手に「女らしくない」という理由で振られて、さらに自信を失ってしまった主人公。
そんな彼女が、恋をするのが本作です。
彼女が葛藤しながらも、少しずつ自分自身の気持ちと向き合っていく物語です。

自身が不出来だと思っている点でも、他人から見れば全然気にならないことだったり、むしろ良いところだったりする。
そんな視点に気づかせてくれる作品です。
↑ページトップへ