イチオシレビュー一覧

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冬に輝くひまわりの笑顔。切ない感動物語です。

 とても切なくて、心が震える物語です。

 冬なのに、ひまわりを見たいと言い出した『君』と呼ばれる女性の一言から始まります。
 どうして彼女はそんなことを言ったのか。語り部の青年と『君』の思い出が淡々と語られていき……。

 心情描写がや思いの込められた言葉の一つ一つがとにかく美しいです。
 たった2000文字弱の短編ですが、その素晴らしさは筆舌に尽くし難いです。おすすめです。ぜひ一度、読んでみてください。

外にはきっと綺麗な雪が積もっています そして彼女は……

  • 投稿者: 水渕成分   [2020年 08月 14日 05時 57分]
家紋武範様の「看板短編企画」参加作品だそうです。

1900字弱の純文学。うん。これぞまさしく「純文学」でしょう。

物語は一人の青年のモノローグで綴られて行きます。淡々としていて、とても澄んでいる。

もう一人の登場人物、それは青年の彼女。とても明るく、優しい心を持った彼女。

そんな彼女が言った、たった一つのわがまま、それが「冬のひまわり」。

これから後はぜひ直接あなた自身の目でお確かめください。

とても優しく、とても哀しく、とて透明な、この物語を……

絵画の中から、溢れる愛。

  • 投稿者: caem   [2019年 12月 26日 01時 23分]
いったい、どういう想いを込めて描いたのか。
画家であり、当事者にしか分からないことだろう。

それは街中で何気なく見掛ける彫像などでも同じように思える。

ただ花瓶に詰められただけの向日葵。
かのゴッホによる作品だ。
ひとによってはどう感じ取られるのか。

読んでみて……浮かんだのはやりきれない感情。
悲しい風景を切り取ったかのように、淡々と紡がれる物語に感動を覚えざるを得ない。

まるで爽やかな風が棚引く花畑で、胸をぎゅうっと締め付けられるような――切なさと癒しが詰まった『冬のひまわり』に。

聖なる夜に、美しい花を。

  • 投稿者: 四季   [2019年 12月 25日 03時 56分]
とても切なく儚げな作品です。

でも。
切ないから美しく、儚さゆえに美しい。

そう感じさせてくれる一作でした。

終わりを待つ彼女の「ひまわりを見たい」という願いを、彼は、叶えたいけれど叶えたくない。
その複雑な裏表の描き方が、見事だと感じました。

この作品の魅力は、言葉では表せない、もっと特別なところにあります。
そして、それは、読めば分かるはずなのです。

ぜひ一度読んでみて下さい。

あなたの記憶に残ることを願っております。

レビューを書いてしまってもいいのかしら、と戸惑うほどに

  • 投稿者: 退会済み   [2018年 10月 22日 20時 21分 ()]
管理
この作品を読み終えたとき、思わず涙を流してしまいました。
私は、映画や本で泣いたことがありません。
基本的に、感動系の作品を遠くから眺めるようにしてしまう癖があるのです。
要するに、感情移入がド下手で。
そんな、私が泣きました。
美しい表現と、魅力的な描写。
心を連れて行かれました。
そして、私の心はこの作品から戻ってきていません。
感動の一言では表せないような何かが心を抱いて離さないのです。
そして、それは心を震わしています。
とにかく、この作品を読んでみて下さい。
きっと、あたなの心にひまわりが咲き続けるでしょう。
このレビューを書くのだって、戸惑ってしまいました。
この作品の魅力をレビューで伝えきる自信がなかったからです。
それほどに、この作品は素晴らしいです。

短い短編の中に詰められた、彼女と彼の短い時間

  • 投稿者: 痛瀬河 病   [2018年 10月 10日 00時 45分]
出来るだけ真っ白な状態で見て欲しいので、レビューで内容にあまり触れたくないのですが、少しだけ触れさせて頂きます。

病弱な彼女、そして看病する彼、この二人の決して長くはない時間を作者の藤乃様がとても綺麗に書き上げています。

当たり前なのですが、文字が多ければ多いほど小説には中身が詰まり、重厚なドラマが生まれます。

しかし、この短編は一切の無駄なく、2,000字以下でしっかりと胸に残る感動を生んでくれました。
読むやすさ、内容、どれを取ってもやられたなと思わせる小説です。

是非お時間のある方もない方も覗いてみてください。

短編ものでこんなにも感動できるなんて。

  • 投稿者: 退会済み   [2018年 10月 06日 09時 02分]
管理
きっかけは『タイトル』でした。

『冬のひまわり』

その相容れぬ言葉同士のつながりに違和感を覚えたのです。
――どんな作品なのかしら? と、何気なく読んでみました。が、これはある意味で「期待」を裏切るものでした。

『冬のひまわり』

その謎が紐解けたとき、最後のピースが収まり、その全貌が見えたとき、私が思わず涙してしまいました。

これは良作ならぬ傑作であると。
詩人・藤乃 澄乃先生が得意とする言葉の美しさを引き出すチカラがこの作品における魅力を一層に惹きたてているのだと思います。

悔しい。素直にそう思いました。
彼女の才能が美しい大輪を咲かせた本作。
ぜひご覧くださいまし(*^_^*)
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