イチオシレビュー一覧

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地上の星を探すつばめの旅はまだ終わらない

失われた青春と伴侶を求めた老人が少女ロボットを作り出す。
こうあらすじを聞けば、随分と格好悪くて寂しい爺さんだなと思うに違いない。

読めば気付くことになる。
これがいかにアカデミックで神聖な作品であるのか。

レイ・カーツワイルの「ポスト・ヒューマン誕生」
ニック・ボストロムの「スーパーインテリジェンス」
ガルリ・カスパロフの「ディープ・シンキング」

なんならミチオ・カクの「2100年の科学ライフ」やスピルバーグの「AI」
攻殻機動隊やドラえもん、トゥーハートだっていい。

人類がAIを求める大きな理由の1つ。
対等な友人を作り出すこと。
あるいは理想の伴侶に出会うこと。

それは今すぐではなくても、いつかきっと訪れる未来。
我々がその瞬間に立ち会えるかはまだわからないけど、案外可能性は高いと思っている。

この物語は近未来に綴られる新しい神話の1ページの予行練習な気がしてならない。
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