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笑いという世界を最後まで描き切った格闘系純文学「ヒバナ」

  • 投稿者: 綿花音和   [2020年 08月 18日 00時 13分]
主人公ピン芸人の吉又は、天才的な才能と求道者のようなストイックさを持ち合わせた薮田とコンビを組むことになる。

各話に登場する笑いの勝負の数々。
独特の空気感と圧倒的な描写力でその場で目撃しているように読者を惹きつける。
ひたむきにそれぞれが追いかける笑い。
薮田との強烈な出会いから、吉又が自分の笑いを取り戻して磨き上げていく姿には心が共鳴するはず。

笑いという世界を見事に描き切った本作。
一癖も二癖もある人物が作品の中で見事に生きているのも素晴らしい魅力の一つだ。
「ヒバナ」というタイトルに隠された最後の秘密を見届けて欲しい。
是非読んで欲しい作品だ。

『火花』は読んだ事ないですが、この『ヒバナ』は面白かったです!

  • 投稿者: 孤独堂   [2018年 02月 04日 14時 16分]
タイトルでふざけていると思う方もいらっしゃるかも知れませんが、これ、普通に面白いです。
物語は紆余曲折しながらも人並みはずれた観察眼と解析力で、本物の『笑い』を目指す吉又ナオキという芸人のお話なのですが、あれ? やっぱりふざけてますね。(笑)
しかしその内容は、創作を志すものならばきっと心に引っ掛かる様な素晴らしい内容です。
特に前半はそんな創作論や、作品の評価のあり方など、考えさせられる部分が多くあります。そして後半は、これがただの論文とかではない様に、ちゃんと吉又の活躍や挫折が描かれています。
これは文学です。
大人ならこれくらい読みましょう!
(そして最後の藪田の台詞に僕は作者を重ね合わせました♪ 笑)
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