イチオシレビュー一覧
▽レビューを書く 序章から瞬く間に人類最強にまで登り詰め、無双に至ったかに思われた主人公。
そんな彼女も、度々訪れるやむを得ない現実を知っていき、それに折り合いをつけて生きていくのですが……。
そんな中で、必見なのは第7章です。6章での思いもよらぬ展開から、こう来るかと初見の頃は度肝を抜かれました。特に、初めて主人公が瞬間最大出力を開帳したシーンが、迫力満点で大好きです。特に、「例のあれ」がごおーってなるのとか、ぴしゅーんとか、ぐっと来ます。来ません? 来ますよね?
そこまでの、ファンタジー戦記の中でも泥臭い重みもまた乙なものでしたが、「彼ら」が絡むと神話みたいな空気感になるのも、この作品の魅力の1つだと思ってます。
甘く冷たく、残酷で美しく、重厚で幻想的な物語です。ぜひ御一読をば。
そんな彼女も、度々訪れるやむを得ない現実を知っていき、それに折り合いをつけて生きていくのですが……。
そんな中で、必見なのは第7章です。6章での思いもよらぬ展開から、こう来るかと初見の頃は度肝を抜かれました。特に、初めて主人公が瞬間最大出力を開帳したシーンが、迫力満点で大好きです。特に、「例のあれ」がごおーってなるのとか、ぴしゅーんとか、ぐっと来ます。来ません? 来ますよね?
そこまでの、ファンタジー戦記の中でも泥臭い重みもまた乙なものでしたが、「彼ら」が絡むと神話みたいな空気感になるのも、この作品の魅力の1つだと思ってます。
甘く冷たく、残酷で美しく、重厚で幻想的な物語です。ぜひ御一読をば。
主人公クリシェは極端に共感性に欠けてみえる。それは、彼女の理性があまりにも強いゆえの反動だと思う。生まれたときから産声も上げずに、利にならない感情は排除してきたのだろう。
クリシェは異質な存在だけど、まっすぐ幸せを追い求めるだけ。純粋さは生まれたころからただ望み、理性によって守られてきた尊い心。
美意識と欲望の板挟みになると理性を働かせて美意識を優先させてきたが、使用人ベリーによって少しずつ変わっていく。完璧であることより、普通の感覚を大切に思うようになる。ベリーだけじゃない。義姉のセレネ、実妹のクレシェンタと、ときにすれ違いながらも心を通わせ、感情を彩らせて幸せを見つけていく。
異質な純粋さをもつクリシェは、困難を乗り越えながらも良き理解者に囲まれることで、楽園を実現させた。これはそんな尊い物語。
百合作品を漁って偶然出会った、何より好きな小説。
いつまでも永遠の楽園を見ていたいです。
クリシェは異質な存在だけど、まっすぐ幸せを追い求めるだけ。純粋さは生まれたころからただ望み、理性によって守られてきた尊い心。
美意識と欲望の板挟みになると理性を働かせて美意識を優先させてきたが、使用人ベリーによって少しずつ変わっていく。完璧であることより、普通の感覚を大切に思うようになる。ベリーだけじゃない。義姉のセレネ、実妹のクレシェンタと、ときにすれ違いながらも心を通わせ、感情を彩らせて幸せを見つけていく。
異質な純粋さをもつクリシェは、困難を乗り越えながらも良き理解者に囲まれることで、楽園を実現させた。これはそんな尊い物語。
百合作品を漁って偶然出会った、何より好きな小説。
いつまでも永遠の楽園を見ていたいです。
永遠の愛をめぐる少女達の生きざまを楽しめる傑作
- 投稿者: keishi82573 [2022年 05月 25日 01時 58分]
読み終わって、とても綺麗な物語だったと思いました。この作品に巡りあえたことに、ありがとうを伝えたくてレビューします。
他人に対して損得以上の興味を抱けなかった少女が、多くの人たちとの交流を通じて、歪なまでの純愛を理解していく様を楽しめます。永遠の愛にまつわる生と死といった難しい内容が、読みやすく、かつ親しみやすくストリーに織り込まれています。
様々な人の死(非業の死、老衰による穏やかな死)、百合など読者を選ぶ設定はあれど、永遠の愛の1つのかたちを紡ぐ物語として必要であったと納得できます。
内容重視の方は楽しめること間違いなしのファンタジー・ライトノベルです。
サクサク魔法・魔力が上がるたぐいの作品ではありません。特に前半は、魔法・魔力は添え物程度です。しかし、魔法・魔力の取り扱いがユニークで、たくさんのハイファンタジー作品を読んだ方でも新鮮さを感じることができるのではないでしょうか。
他人に対して損得以上の興味を抱けなかった少女が、多くの人たちとの交流を通じて、歪なまでの純愛を理解していく様を楽しめます。永遠の愛にまつわる生と死といった難しい内容が、読みやすく、かつ親しみやすくストリーに織り込まれています。
様々な人の死(非業の死、老衰による穏やかな死)、百合など読者を選ぶ設定はあれど、永遠の愛の1つのかたちを紡ぐ物語として必要であったと納得できます。
内容重視の方は楽しめること間違いなしのファンタジー・ライトノベルです。
サクサク魔法・魔力が上がるたぐいの作品ではありません。特に前半は、魔法・魔力は添え物程度です。しかし、魔法・魔力の取り扱いがユニークで、たくさんのハイファンタジー作品を読んだ方でも新鮮さを感じることができるのではないでしょうか。
主人公のクリシェは目的の為ならば手段を選びません。
それが常人の感覚では眉を顰めるような事であってもなんの痛痒も感じません。
またそれを押し通せるだけの隔絶した能力を持ち、その意味で誰よりも純粋で完全です。
そして完全な純粋さというものは排斥されて然るべき異質以外の何物でもありません。
しかし本作の主人公は素敵な縁に恵まれていました。
主人公の淀みのない純粋な心や異質さを含めたありのままを受け止め、導き、愛してくれる人々に出会っていきます。
そしてその出会いはいつしか主人公の完全さを失わせていきますが、それはとても良いことなのだと素直に思える作品になっています。
戦記を下地とした、この登場人物達の黒でも白でもない思いや欲望、愛憎を是非ご覧になってください。
それが常人の感覚では眉を顰めるような事であってもなんの痛痒も感じません。
またそれを押し通せるだけの隔絶した能力を持ち、その意味で誰よりも純粋で完全です。
そして完全な純粋さというものは排斥されて然るべき異質以外の何物でもありません。
しかし本作の主人公は素敵な縁に恵まれていました。
主人公の淀みのない純粋な心や異質さを含めたありのままを受け止め、導き、愛してくれる人々に出会っていきます。
そしてその出会いはいつしか主人公の完全さを失わせていきますが、それはとても良いことなのだと素直に思える作品になっています。
戦記を下地とした、この登場人物達の黒でも白でもない思いや欲望、愛憎を是非ご覧になってください。
戦場音楽が聞こえてくるような戦闘描写、味方に優しく敵に容赦のないヒロインの姿が魅力なのですが、ポンコツヒロインであるところも楽しめるアンビバレントな魅力のある作品です。
味方の将軍たち、そして、敵対する王弟、貴族、将軍、諸外国の人間もそれぞれに野望があり、かなり濃い人物描写がなされます。
そして、常に限界まで自分の能力を尽くすクリシェの在り方に心を揺さぶられ、また、ピント外れな子供っぽさや配慮に苦笑しつつ、彼女を支えてくれる存在が周りに少しずつ集まってきます。
既に完結し、不定期に外伝が追加されるのも楽しみであります。
味方の将軍たち、そして、敵対する王弟、貴族、将軍、諸外国の人間もそれぞれに野望があり、かなり濃い人物描写がなされます。
そして、常に限界まで自分の能力を尽くすクリシェの在り方に心を揺さぶられ、また、ピント外れな子供っぽさや配慮に苦笑しつつ、彼女を支えてくれる存在が周りに少しずつ集まってきます。
既に完結し、不定期に外伝が追加されるのも楽しみであります。
主人公クリシェは人の心が欠如したサイコ少女。
一つ何かが違えば、例えば養父母が虐待親だったりしたら。
クリシェは持ち前の優秀な力を、最悪の形で使っていたかもしれない。
そして多くの人々を不幸に陥れる存在と化していたかもしれない。
でも結果的には、彼女と周囲の人々は互いに幸せな関係を築けてる。
その理由は、彼女が周囲の人に恵まれていたからだろう。
愛情深い養父母、好意的な村の女達、引取先の貴族、メイドなど。
彼女にとっても周囲にとっても幸いな事に、概ね彼女は良い人たちに恵まれた。
その事が、類まれな才能を持った優秀な彼女を人類の敵にしないで済んだ。
良い人がそばに居てくれたら、たとえイカれたサイコでもヒーローになる事がある。
そんな面白主人公の物語に惹かれた方に本作はオススメです。
あと最後に一言。
クリカスさぁ……
「……?」←これやめろwシリアスな場面なのに笑っちゃうから。
一つ何かが違えば、例えば養父母が虐待親だったりしたら。
クリシェは持ち前の優秀な力を、最悪の形で使っていたかもしれない。
そして多くの人々を不幸に陥れる存在と化していたかもしれない。
でも結果的には、彼女と周囲の人々は互いに幸せな関係を築けてる。
その理由は、彼女が周囲の人に恵まれていたからだろう。
愛情深い養父母、好意的な村の女達、引取先の貴族、メイドなど。
彼女にとっても周囲にとっても幸いな事に、概ね彼女は良い人たちに恵まれた。
その事が、類まれな才能を持った優秀な彼女を人類の敵にしないで済んだ。
良い人がそばに居てくれたら、たとえイカれたサイコでもヒーローになる事がある。
そんな面白主人公の物語に惹かれた方に本作はオススメです。
あと最後に一言。
クリカスさぁ……
「……?」←これやめろwシリアスな場面なのに笑っちゃうから。
天賦の才を持つが故に、愛を理解できなかった少女クリシェ。
引き取られた先での出会いが、彼女の「心」と「世界」に変革をもたらす。
卓越した文章力で描かれる、「日常」と「戦争」、そして「成長」の物語。
秀麗な世界観を背景に綴られた、多種多様で一顰一笑の群像劇。
少女の望みはただ一つ。
大切な人達と穏やかに暮らすこと。
少女は躊躇いなく首を狩る。
一刻も早くお屋敷に帰りたいから。
成し遂げられた偉業に興味はなく。
激動の時代をぶれることなく突き進む。
些細な願いのその果てに、築かれたるは英雄譚。
…………少女の望まぬ英雄譚。
かけがえのない日々を守るため、少女は運命に立ち向かう――
※実態は「無垢な最強少女が仕方なく戦争に参加する百合ファンタジー小説」です。
※本編完結済み。
引き取られた先での出会いが、彼女の「心」と「世界」に変革をもたらす。
卓越した文章力で描かれる、「日常」と「戦争」、そして「成長」の物語。
秀麗な世界観を背景に綴られた、多種多様で一顰一笑の群像劇。
少女の望みはただ一つ。
大切な人達と穏やかに暮らすこと。
少女は躊躇いなく首を狩る。
一刻も早くお屋敷に帰りたいから。
成し遂げられた偉業に興味はなく。
激動の時代をぶれることなく突き進む。
些細な願いのその果てに、築かれたるは英雄譚。
…………少女の望まぬ英雄譚。
かけがえのない日々を守るため、少女は運命に立ち向かう――
※実態は「無垢な最強少女が仕方なく戦争に参加する百合ファンタジー小説」です。
※本編完結済み。
主人公は殺しを何とも思わない少女
それゆえ周りから常に浮いています
しかし物語が動き出してからは徐々に理解者が増えていきます
決して全面的に肯定するようなものではない(一人除く)ですが
少女に救われたり、その純粋さに触れた人々は皆少女の助けになろうとします。
そこにたどり着くまでは味方からも忌避されたり疎まれたりして、本人は気にしないものの周りはそれに対し何もできない無力感に苛まれていて、読んでいて同じ気持ちにさせられますが
それを覆していくカタルシスを感じてほしいです。
それゆえ周りから常に浮いています
しかし物語が動き出してからは徐々に理解者が増えていきます
決して全面的に肯定するようなものではない(一人除く)ですが
少女に救われたり、その純粋さに触れた人々は皆少女の助けになろうとします。
そこにたどり着くまでは味方からも忌避されたり疎まれたりして、本人は気にしないものの周りはそれに対し何もできない無力感に苛まれていて、読んでいて同じ気持ちにさせられますが
それを覆していくカタルシスを感じてほしいです。
クリシェは共感性欠如で、己の損得でしか物事を考えない上で人殺しに忌避感も感じないサイコパスである。
ですがその一方、彼女の身体能力、思考力、魔力どれも極めて高く、ある意味完成されている存在。
そんな主人公が優しい人間に囲まれ、命が最も軽く扱われる戦場で愛を覚える物語。
作者様の言い回しはどれも美しく、地の文も丁寧に書かれています。
主人公だけじゃなく、その周りの人物や敵役の背景まで書かれることもあり、まさに一人一人の生き様を見せてくれます。
しかしやはり無垢純真の主人公が愛を覚えてからの成長が一番の見所です。
完璧な存在として生まれ泣くことすら必要としない赤子が、愛する者のために世界に鳴き声を上げる物語を、是非手に取って下さい。
ですがその一方、彼女の身体能力、思考力、魔力どれも極めて高く、ある意味完成されている存在。
そんな主人公が優しい人間に囲まれ、命が最も軽く扱われる戦場で愛を覚える物語。
作者様の言い回しはどれも美しく、地の文も丁寧に書かれています。
主人公だけじゃなく、その周りの人物や敵役の背景まで書かれることもあり、まさに一人一人の生き様を見せてくれます。
しかしやはり無垢純真の主人公が愛を覚えてからの成長が一番の見所です。
完璧な存在として生まれ泣くことすら必要としない赤子が、愛する者のために世界に鳴き声を上げる物語を、是非手に取って下さい。
主人公のクリシェは自分にとって邪魔な人間を殺すのになんの躊躇もない。またクリシェは親しい人が目の前で殺されても平然としている。
その冷酷さと残酷さからクリシェは敵対する者だけでなく、味方となるはずの者からも恐れられている。クリシェを恐れている者はクリシェの機嫌を損ねないか必死である。
一方で、戦闘で敵なしのクリシェを守りたいと思う者がいる。クリシェを恐れずに愛称をつける者がいる。感情を読むのが苦手なクリシェに愛情を注ぐ者がいる。
こうした優しい人たちと関わりながら、クリシェは変わっていく。クリシェに対し嫌悪感を示していた者のクリシェに対する感情もだんだんと変わっていく。
クリシェの周りの人たちの奮闘がどうクリシェを変えていくのか。ぜひこの作品を読んで確かめてほしい。
その冷酷さと残酷さからクリシェは敵対する者だけでなく、味方となるはずの者からも恐れられている。クリシェを恐れている者はクリシェの機嫌を損ねないか必死である。
一方で、戦闘で敵なしのクリシェを守りたいと思う者がいる。クリシェを恐れずに愛称をつける者がいる。感情を読むのが苦手なクリシェに愛情を注ぐ者がいる。
こうした優しい人たちと関わりながら、クリシェは変わっていく。クリシェに対し嫌悪感を示していた者のクリシェに対する感情もだんだんと変わっていく。
クリシェの周りの人たちの奮闘がどうクリシェを変えていくのか。ぜひこの作品を読んで確かめてほしい。
イチオシレビューを書く場合はログインしてください。