イチオシレビュー一覧

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純粋で本来あるべきファンタジーストーリー、画すべく一作

  • 投稿者: hygirl   [2019年 04月 15日 22時 08分]

読んでまず感じたのはファンタジーの在り方について。
変にこだわったり無駄に省いたりが多い昨今、この作品は違った。
本来の姿を見せてくれるようなスケールの世界観と描写、そして物語を彩るキャラクターたち。

ファンタジーというジャンルのあるべき姿……いうならば原点にして原初の姿を見せてくれるような作品だと感じた。

ファンタジーとはこうあるべきだと伝える参考書のようなものだと言っても過言ではないのかもしれない。

そんな作品の中で動くキャラクター、これも魅力の1つだ。

個性があり、それぞれに異なった思想があり、それらが物語を読み進める上で作品の中に引き寄せる大きな力になっている。

ここまでを踏まえて一言言うなら読みやすい。

作者の弛まぬ努力で洗練された描写があるからこそこう感じられるのだろう。


ファンタジーのあるべき姿を形取るこの作品、お時間があるのならぜひ。

語彙力が豊富! そして人を引きつける!

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 03月 23日 22時 30分]
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描写がしっかりしていて、丁寧。なるほど。と、いちいち痛感させられました。語彙力が豊富で、文章が丁寧で、圧倒されました。すごい…

他の方もおっしゃってますが、残酷なファンタジー。ベルがなかなか、すごい(笑)でも、憎めないんですよね。

キャラクターの設定もしっかりしている。良いですね。そして、キャラクターが明確に動き出す。素敵。
想像を超える世界観。魅力的でした。

続きを期待しています。

イメージの力に脱帽です。

残酷なファンタジーです。
かなりグロくて切なくて理不尽で、世界というか運命の糸にもつれ合う人間たちの、切ない物語です。

世界観が独特で、電気やガスの代わりに『剣』を礎とした文明。もうこれだけで、ああ違う世界を体験できるのかな? と期待したら、良い感じで裏切られます。
張られた伏線は壮大で心地よく、演出や視点のセンスが光ります。

キャラも濃くて、主要キャラクターにステレオタイプはいません。
一人ひとりが、ちゃんと悩み、苦しみ、決断を下します。

作者さんの作品に対する想い、イメージを届けたいという願いが感じられる、とても丁寧に作られた物語です。未読の方は是非!

壮大な世界観が魅力のファンタジー!

  • 投稿者: 理一   [2018年 05月 08日 20時 38分]
このファンタジー作品『聖剣物語』は、いわゆる流行に乗った、なろう系の作品ではありません。
綿密な世界観と、細かな描写に、魅力ある設定。
圧倒される壮大な世界観は、読み進めていると、まるで映画を見ているかのように、頭の中で物語の映像が流れます。
ああ、そうだ。本来のファンタジーとはこういうものだったなと、思い出させてくれる、すてきな作品です。

また、登場人物がみんな魅力的で、会話も楽しい! ニヤニヤしながら読んでしまいます。

12本の聖剣から始まる、古き良きファンタジー。
みなさまも、ぜひ読んでみてください!

人間くさい人々が紡ぐ物語

 最初に言っておくけれど、ファンタジーというジャンルについては、子供の頃にハリー・ポッターの第一作を読んだとか、図書館でダールを借りた記憶が(内容は覚えていない)あるとか、その程度の人間である。
 なのに、この作品「聖剣物語」は、そんなブランクに関係なくすんなりと読めた。初回以降の数話で、作品の世界観がしっかりと読者に明示されているからだ。特に政府・官僚機構を端的に表している所が素晴らしい。中世ヨーロッパと、少々の東洋的要素をミックスした世界観は魅力的であり、それを情景描写の妙がこれでもかと引き立てている。
 また、登場人物が皆、それぞれに個性的なのもいい。どこかしら、人間的欠点を抱えた連中ばかりなのだ。そのせいでこの作品は、読者が共感できる人間像があちこちにいる。
 これだけで充分面白いのに、これに加えてある種のミステリー要素まで加わった本作品は、全ての小説好きにお薦めしたい一作である。

禍々しい輝きを放つ稀少なファンタジー

この作品、昨今流行するファンタジーとは一線を画します。
しかし本来の「ファンタジー」とは、この『聖剣物語』のような作品を指すのではないでしょうか。

物語のはじまりは『創剣記』。
文章ははじめ、硬質で格調高く綴られます。
壮大な叙事詩のようなプロローグを読み進めると、物語はとある山場に遭遇します。
そこでは誰もが、まるで観衆のひとりとなり、王国で起こった出来事を体験することになるでしょう。

そして、初夜編では男女ふたりによる冒険譚が展開されます。
とにかく、キャラクターが憎めなくて魅力的。一筋縄ではいかない人物ばかりです。

この作品、決して流行りに乗った作品ではありません。
硬派で、荘厳で、どこかノスタルジックです。

登場人物たちがどこへ向かってゆくのか。
神々しくも禍々しい聖剣が、人々の心をどう切り刻んでゆくのか。目が離せません。
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