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電脳の女神と織り成す非日常の始まりと、変わりゆく日常の物語

  • 投稿者: 藤沢計路   [2018年 05月 19日 17時 42分]
ネトゲ廃人、かつコミュ障である高校生、柴田獅子虎が、突如として電脳の世界から生まれ落ちた女神、エレクトラと半ば強制的に契約させられ、彼女の神格を上げるために奔走する話。要約するとそうなるが、この物語にはそれにとどまらないドラマが詰まっている。

それがはっきり言って面白い。

はじめのほうこそひょうきんなエレクトラとドタバタコメディを繰り広げるかと思いきや、話が進むにつれ獅子虎を取り巻く複雑な環境が見えてくる。家庭環境、スクールカースト、女神と関わったことで視えるようになってしまった神のなり損ない、魔鬼フラク。
そしてふとしたキッカケで知り合った後輩の少女、和を助けるために、目を背けていた現実に敢然と立ち向かっていくことになる。

電脳と現実の神道などの要素が巧く取り込まれ、作者の発想に脱帽する一方、読み進める度に獅子虎君の奮闘にも胸が熱くなるのを感じる。

是非読んでみてほしい。


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