イチオシレビュー一覧

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心の痛みを抱えながら、兵器少女は強くなる

  • 投稿者: 見早   [2025年 05月 02日 14時 36分]
1章の終わりまで読ませていただきました。

フェイヴァを「ごみ」と称する人間の兵士たち。自分が人間でないことに絶望するフェイヴァ。

読み手の胸を締め付ける展開が続きますが、彼女の母親を自称するテレサ博士の存在が救いになります。
逃亡の間の心の交流が丁寧で、フェイヴァとテレサ博士を応援したくなりました。

フェイヴァに冷たいレイゲンに、テレサが服屋で行った小さな復讐には、思わずクスッとなります。
またフェイヴァの「人間に受け入れられたい」気持ちに、レイゲンが絆されていくところも見どころですね。

最後に作者の夏野様へ
残酷な運命の中に差し込む救いが何とも温かい、壮大なダークファンタジーをご紹介いただき、ありがとうございました!

自分の悲しき宿命に立ち向かう少女の物語

  • 投稿者: ゆみりん   [2025年 03月 12日 17時 23分]
この作品は、兵器として生み出された悲劇の少女・フェイヴァが、自分の正体や世界の真実に向き合っていくダークファンタジーです。謎めいた科学者テレサや冷たい雰囲気を持つ兵士レイゲンと出会い、彼女の過去や運命が少しずつ明らかになっていきます。

母のような包容力を持つテレサと冷たく感情を抑えたレイゲン。この二人の対比が物語の緊張感を生み出し、フェイヴァの立場や心情に厚みを持たせています。

フェイヴァが自分の運命に抗おうとする姿勢が魅力的。戸惑いながらも前へ進もうとする彼女の強さが、読者の心を揺さぶり、共感を呼びます。

タイトルも印象的で、作品のテーマを象徴しているように感じました。独特の世界観と緊迫感のある展開が魅力的な作品です。

何度も傷つき、逆境に投げ込まれる姿に、どうか幸せになってほしいと願わずにはいられない

  • 投稿者: 両星類   [2020年 08月 15日 20時 50分]
 無慈悲な殺戮兵器『死天使』として創られたはずの少女は、人の心を宿していたーー。

 巨大な蛙のような気味の悪い装置が鎮座する部屋で、少女フェイヴァは眠りから覚めた。何故そこにいるのかも分からず戸惑う彼女に、人々は「失敗作」「化物」と心無い言葉を浴びせかける。

ーー私は人間だよね!? そうだよね!?

 フェイヴァの儚い願いも虚しく、傷口から覗く人ではありえない機械のような骨格は、容赦なく現実を突きつけるのだった。

 どんなに人間らしく振舞っても、人々にとって『死天使』はあくまでも感情を持たない殺人鬼。歩み寄ろうとするたびに疎外され迫害され続ける姿に胸が締め付けられる。

 小さな軋轢が新たな悲劇を招き、そこに潜む因縁の敵の影は少女を否応なく戦禍に巻き込む。

 数少ない理解者たちとの交流や恋心を育む様子は普通の女の子なだけに、最後に報われることを切に願いたくなる作品。

人の心を持った機械の身体を持つ少女の物語

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 12月 09日 20時 50分]
管理

機械の身体を持つ少女フェイヴァ。彼女の少し抜けた雰囲気が見ていてとても可愛らしいです。
兵器として生まれたフェイヴァの事を人間は良く思わないのだけど、その中で出会った一人の青年、レイゲンもその一人。
序盤で帝国から抜け出したフェイヴァとその生みの親テレサが協力を求めた反帝国組織の有能な剣士の一人だ。

最初は言葉すら交わしてくれなかった彼だけど、話数を重ねていくごとに二人は距離を縮めていきます。
まだ一章を読み切ったところですが、ここからフェイヴァがどんな仲間に出会い、成長していくのかが楽しみです。


今はまだひどい事もされたりで人間を信じられないかも知れないけど、それでも健気に耐え抜くフェイヴァにレイゲンの心が動き始めたようにも見えます。

あーー、彼女、フェイヴァには幸せになって欲しいです。

これからも見守っていこうと思います!

ツンデレなレイゲン君も必見!


追憶の優しい花の名

  • 投稿者: 九藤 朋   [2019年 12月 07日 15時 47分]
本作品は砂粒の中、光る砂鉄である。

丁寧で綿密な世界設定、キャラクター構成、そしてストーリー展開。それに加え、絵師としても優れた実力を持たれる夏野さんならではの挿絵にも魅了される。

主人公のフェイヴァは、機械の身体であるゆえに蔑視されるが、持ち前の純粋さと一途さで、人々との絆を築いてゆく。

その最たる例が、もう一人の主人公とも呼べるレイゲンである。容姿に秀で戦闘能力は突出して、異性の引く手あまただが、彼は恋愛感情というものに、当初、なんら興味も示さない。そんなレイゲンが、フェイヴァと触れ合う内に、変化していく。その過程はこの作品の醍醐味の一つだろう。

フェイヴァとは、可憐な桃色の花の名から来ている。
フェイヴァの髪の色も優しい桃色だ。

あなたはこの小説を読んで追憶するだろう。
桃色の優しい花の名を。

哀しき機械の少女と愛する人々の過酷な運命。魂ふるわす心理描写、プロット、戦闘描写。読む手が止まらなくなる名作!

  • 投稿者: Yuki   [2019年 10月 06日 10時 02分]
国家間の争いが激しさを増す異世界。
兵器として機械の身体と純粋なる人間の心を持って生まれた、美しい少女の苦悩と葛藤・人間関係・戦いが描かれるダークファンタジーです。

何よりも、人ならざる少女フェイヴァを巡る、人々との冷徹ながらもときに暖かな心の交流、濁流のごとき運命に翻弄される展開が読み手を惹きつけます。卓越した心理描写ゆえ、学園ドラマを中心とした登場人物達への感情移入度合いは驚くべきものです。

またドラマに劣らぬ、ファンタジー要素と機械技術の融合した独特の世界観と壮大な背景・神話・伝承の物語。徐々に明らかになる謎は深く読み応えがあります。そして各人物の衝撃の秘密……に加え、戦闘描写も迫力を増し手に汗をにぎります。

本当に、読む手が止まらなくなる名作です。一ファンとして、なろうで小説を読む方全てに一度は扉を開いて欲しいと切に願う作品です。ぜひともご一読のほど。

人と関わり、苦しさも喜びも知る、機械の少女の物語

  • 投稿者: 河杜隆楽   [2019年 08月 29日 16時 17分]
フェイヴァという主人公の少女は、冒頭から苛酷な運命に翻弄されます。
生まれた瞬間から「兵器」としての原罪を背負い、しかもこの兵器を憎む人間たちと暮らすことを余儀なくされます。

この少女がツライのが、彼女は人間としての感情を最初から持ち合わせていたことです。
自分が兵器・機械であることに苦しみ、人間であろうともがく展開には、涙を誘われます。

それでも、彼女は人間を信じ、その優しさを失いません。
そんな彼女の心に感動してほしい、是非読んでもらいたい作品です!

総合的にハイクオリティなファンタジー作品、美麗なイラストの数々も、素晴らしくてとても魅力的です。

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 08月 14日 05時 33分]
管理
 少女フェイヴァは、桃色の髪で整った容姿の、鋼鉄の金属の翼が内蔵された殺戮兵器【死天使】です。

 ディーティルド帝国の兵器開発施設の天使の揺籃から生まれたフェイヴァは、失敗作として処分されそうになります。そこで母親代わりというテレサの手引きによって、フェイヴァは処分を免(まぬが)れます。

 機械兵器である自分に葛藤しながらも、他者からはあくまで、殺戮兵器としてしか扱われず忌み嫌い恐れられます。しかし、フェイヴァには心があります。

 そんな彼女は、兵士見習いの青年レイゲンとの出会いをきっかけに、争いの絶えない世界に翻弄されるのでした。

 国家情勢や世界観がかなりハッキリと作り込まれていて、すんなりとリアルに構成された物語に入っていけます。非常にクオリティの高くて、キャラクターメイキング、ストーリー構成、表現力。どれをとっても、素晴らしい仕上がりのファンタジー作品です。

運命に翻弄される、ダークファンタジー

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 08月 09日 15時 23分]
管理
兵器に宿った心。理解されぬ苦悩。謎めいたストーリー。気取らぬ自然体のヒロイン。人生と世界の闇も光も詰まっている。決して都合良くはいかないけれど、共感できるキャラクターたち。残酷なだけではない物語。薄っぺらくない、血の通ったキャラクター。。。いや、人間たち。
押し付けがましくないが、正論などないストーリー。様々な行動理念がいりくみ、しかもバランスがとれている。

人生と言うのはかくも儚く、尊いものである

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 06月 23日 09時 31分]
管理
本来なら宿すはずのない”心”を宿した機械仕掛けの兵器である【フェイヴァ】が、”人とは違う”という事実に葛藤しながら、魔獣や兵器が蔓延る世界で翻弄されていく物語です。

本作は国語の教師を張れそうなくらい豊富な語彙力で、自然と情景が思い浮かぶかのような丁寧な文章をしています。
似たような表現が見られず、多彩な言い回しに魅了されます。
時折挟まれる挿絵の効果も相まって、小説でありながら、小説を超越していると感じさせられました。

フェイヴァと母を自称する【テレサ】の愛ある関係性がまた良い。
お互いを気遣いあう描写には、思わず応援したくなります。
レイゲンの不器用な励ましも人間味があって惹かれます。

あなたも、まず間違いなく魅了される事でしょう。
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