イチオシレビュー一覧

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夢の続きを見ているような気分

  • 投稿者: ナオフム   [2020年 06月 28日 19時 22分]
 本作品は90年代に「重耳」「孟嘗君」などの著作で世に出た宮城谷正光先生の著作をベースにして描かれたものと思われる。物語としては全く異なるものだが、自らの中で再構築して先生の世界観を見事に再現している。まるで現在70代の先生がなろうに投稿したなら、このような作品になるであろうというほどクオリティーの高い作品である(誤字脱字等を除けば)。加えて娯楽性もある。

 宮城谷氏の著作の一貫したテーマは、国家と統治者と個人(当時は臣民)の関係、それから王道と覇道である。それは紳士契約のようなものであるが、守るべきものとされていたし実際守っていた人の方が多数派であった。しかし文化大革命で古き良き時代は終わり、中国は拝金主義のつまらない国に成り下がった。自己増殖を続ける資本主義の弊害で日本においても然りである。

 本作品はこんな世上でも今一度夢物語の続きを見させてくれるものとなっている。

 

 

中国史を愛する人に是非読んでほしい大河小説

  • 投稿者: 赤月   [2019年 07月 26日 09時 43分 ()]
この小説のジャンルはとても一言で表せるものではありませんが、それでも敢えて表すなら「群雄割拠モノ」です。

舞台となる中原は古代中国をベースにしてありながら、ところどころに作者独自のオリジナリティが散りばめられており、「中原」という世界観が構築されています。

政治、政略、軍略の描写は緻密という戦記モノでありながら神器というファンタジー要素もあり、そのジャンルはとても一言では表せません。
そしてこれら多くの要素が含まれておりながら、それらが混ぜ合わされることなくすべて一つの世界観に収まっており、「ごった煮」のような感じがしないのもまた魅力です。

中国史が好きな人、群雄割拠が好きな人、ファンタジーが好きな人。このどれか一つでも当てはまる人には是非読んでもらいたいとても面白い小説です!!

弥生先生による色鮮やかな「中原」世界を是非ご堪能ください!!
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