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言葉の一つ一つに籠る想い

  • 投稿者: ひなた   [2018年 02月 12日 14時 40分]

 この作品は、大切な彼のために綴られた、女性の想いの籠った恋文です。

 お洒落な言葉と文体で紡がれていく言葉の中に、彼女を切なくさせる彼の、返って来ない答えのその理由が文中で明らかにされ、胸が苦しくなります。
 彼女がどれだけ彼のことを想っているのか、どれほどの想いでこの手紙を完成させたのか、想像すると更に胸が締め付けられるようです。

 けれど不思議と悲しさというものは感じさせず、温かな気持ちにもさせてくれるようでした。
 恋文ですから、そう長い話ではありませんが、何度も読み返してしまう素敵な文章ですので、時間のあるときにじっくり読むことをオススメします。

返事のこない恋文を綴る思いは――

これははある女性が春告草の頃に想い人に向けた恋文です。

恋しくて恋しくてたまらない、会いたくて仕方がない。
そんな想いが綴られています。
けれど何度春告草の季節をめぐろうとも返事は来ない。

どれだけ想いを綴っても応えてはくれない。

なぜ彼は返事をくれないのか、こたえは手紙のなかにあります。

いつまでも彼の人を待ち続ける女性の想い、尊くて切ない恋文。
花や風の香りまでも感じるような美しい文を、手にとってみてください。

梅薫る風に想いをのせて

春というにはまだ早い季節。
彼女はただひとり、空を見上げる。

秘めた想いは実を結ばない。
季節が幾度巡ろうとも、何度梅の香りに包まれようとも。

何よりも欲しい返事が来ることは、この先も永遠にない。
それでも彼女の想いが色褪せることはないのだ。

恋しくて、愛しくて、ただそばに居たいのに。
寂しくて、切なくて、苦しくて、それでもこの先には進めない。

どうしようもない気持ちをしたためて、彼女はそっと風にのせる。
まだ冷たさの残る風は、川の向こうまでしっかり届けてくれるだろう。

うららかな春にはまだ遠く、彼女が川を越えるにはまだ早い。
鮮やかに香る梅を眺めながら、彼もまたのんびりといつか訪れる彼女を待っているに違いない。

春の素晴らしさを感じられる短編作品!

  • 投稿者: 退会済み   [2018年 02月 10日 11時 00分]
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もうすぐ寒い冬から春がやって来ますが、春をメインと致しました短編作品をこの機会にご覧になってはみませんか?

この作品は、短編作品でありながら読みやすい上に春の素晴らしさをたっぷり感じられる内容となっておりまして、さらに作品の最後には綺麗な写真も御座いますので、是非ご覧になりながら春を満喫してみてください!
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