イチオシレビュー一覧

これは、人の本性を語る物語である。
そして、人類を考察する哲学書である。
人の世の、人の間の、生きる困難を、前へ進む苦難を、リッチが切々と語ってくる。
そんな切ないお話。

主人公、リッチは研究者である。だが、人のことは分からない。
そんなリッチが、様々な疑問を提示しつつ、リッチ無双で状況が悪化し、世界の真実が解き明かされていく。

・アンデッドは死体じゃない！？ (リッチは例外)
・神は筋肉に宿る！ (派閥闘争で有利)
・勇者に必要な力は○○！！ (王様になるには)

人類の未来はどこにある！？

　主人公は物語序盤で死んだと思われて勇者パーティから見捨てられたが、実は予め仕込んでいた蘇生術によって、肉体的にも魔力的にも最強の存在である『リッチ』として復活。

　勇者パーティに見捨てられた主人公だったが、勘違いから魔族側に迎え入れられ、魔王軍で大好きな研究ライフを送ろうとする。

　しかし死霊術の研究には資金や設備・試料が必要であり、それら調達のために奔走する羽目になるが、そこで生じるやたら理屈っぽいわりに常識外れな思考を持つ主人公と周囲のギャップが生み出すコメディがとても面白い。

　単純な俺TUEEEに飽きた読者にはとてもオススメな作品と言える。