イチオシレビュー一覧

　酒場で出会った男が、酒と共に話し出したそれは、あまりにも興味をそそられるもので「わたし」は、思わず聞きほれてしまう。

　その冒頭と同じく、気付けば読んでいるあなたも引き込まれてしまう。そんな説得力のある強い物語です。

　森の中で静かに暮らしていた大男と、大女。仲睦まじく見えるが、実は戦場で再開した幼馴染だという……。


　剣戟の冴え、ほとばしる馬の汗すら感じられそうなそれは、ぐいぐいと物語に私たちを巻き込んでいきます。

　最後まで読み終えた時、きっと「わたし」と同じように私たちはかぶりを振ってしまうでしょう。

　しかし、この作品。本当に旨い。是非その酒をもって酔いにまみれてみて欲しいと切に願います。