イチオシレビュー一覧

既にプロデビューされている方の作品をアマとしても二流未満の私が評価するのは大変おこがましいのですが、私はこの作品の「田中一郎感」が大好きです！

転生はかなりあっさり、召喚されたから死にました、というライトな雰囲気、そして本人もサラリと運命を受け入れるというか、記憶を取り戻し「正気に返る」のですが…
３５年の企業戦士人生は決して空虚な物ではなかったのではないでしょうか、折々に「田中一郎」を感じるのです。善悪の判断基準や部下への気遣い、そして何より「仕事」の進め方に。これが日本で働く日本人である私にとって心地良いのです。

作者は宝島社より出版中、「コボルト無双、モフモフな最弱噛ませ犬だけど世界最強を目指す!」のshibaさん！きちんと資料を用意し全体の世界観の土台を築いた上でファンタジー世界を描かれる骨太なファンタジー作家さんです。
氏の中世世界観に関するエッセイもおすすめです。

徹夜仕事のあと、プログラマーの田中一郎(イチロー)は意識を失います。

彼が目覚めると、そこは豪奢なベッドの上。
すぐそばには金髪美女の姿。

ーーここはどこだ？
ーーきみは誰だ？

そんな戸惑いや混乱はイチローの心には起きませんでした。

忘れていた記憶を取り戻したからです。

実はイチローの正体は魔王。
かつて勇者と刺しちがえて命を落とした、魔族の王レオンハートだったのです。

金髪美女スカーレットーー亡き盟友、吸血侯爵ブラドの娘ーーが半ば強制的にイチローを蘇らせた理由は、魔族が絶滅寸前の危機を迎えていたからでした。

本作は、アラフォー社畜だった田中一郎が科学知識や近代兵器を駆使して魔族を救う物語。

てか、牛丼やしらすおろし定食が好きな魔王様はとっても庶民的ですね（笑）