イチオシレビュー一覧

▽レビューを書く

現代魔法少女の動機に迫った本格ドキュメンタリー

  • 投稿者: 夜市よい   [2023年 02月 28日 18時 09分]
舞台は魔法少女による戦争が発生してしまった現代日本。
戦後、主役となった魔法少女に主人公がインタビューをすることで話が進行し、
謎に包まれた戦争の真実に迫っていくという他に見ない独創的な魅力に溢れている作品です。

主人公渡辺僚一は先ず成人男性である自分ではなく
何故少女達が化物達との戦いに向かわなくてはならないのか?
という疑問から魔法少女たちにインタビューをしようと志す。

基本的にメディアに出ることを嫌う魔法少女たちは
何故か主人公だけに協力的にインタビューに応じていって
遂に戦争前夜から終戦までの過程を詳らかに明らかにすることに成功。
それと同時に何故主人公だけに魔法少女たちが協力的だったのかが判明し
読者が全員驚く意外すぎる結末へと話が展開していきます。
あっと驚く本格ドキュメンタリーがお好きな方、お勧めです。

(同内容を自サイトにも投稿しています)

インタビューを通して彼女らの背後に世界が見える

  • 投稿者: アワユキ   [2018年 05月 05日 20時 31分]
魔法少女という浮ついてフワフワした存在を、インタビューという形式でもって切り開いて解剖して地に落とそうというある種の冒涜と言ってもいい行為を行う作品です。
でも、だからこそ、魔法少女達の背後にあるもの、背負うもの、彼女らの人生、彼女らが守った世界がインタビューを通してありありと浮かび上がってきます。
壮絶な魔術戦争を、悩み苦しみながら戦い抜き、時に愛し、友情を育み、憎しみを晴らす。
そこに息づく彼女らの息吹を感じます。

そして終盤のアレです。ネタバレになるので詳しくは書けませんが…。
これまで真面目に付き合ってきたのがファッキン馬鹿らしくなりますよ(褒め言葉)。
いやそれまでのストーリーを経た結果としては素直というか真っ当ですらあるというか、むしろ昇華していると言っても過言ではないでしょう。

何にせよ間違いなくクソ面白いので読めばいいと思いますよ!

すべての魔法少女に憧れる貴方へ!

言いたいことがあり過ぎる。
まず何よりも素晴らしいのは『かつて実在する魔法少女たちが前線にいたとある戦後の現代日本』という舞台設定。架空年号とか本当に堪りません。
本作は平和を手に入れる為に多くの犠牲を払った魔法少女たちにマイクを向け、あの戦争で何があったのかを問うインタビュー形式のフェイクドキュメンタリーです。
手垢が塗れ過ぎて食傷気味でもある魔法少女モノというジャンルですが、このユニークな設定と、一見実社会に馴染んだけれどどこか病みを抱えた少女たち、更に回を追う毎に深まっていく謎が全く飽きを感じさせません。
そして徐々に現れてくる本当の物語。シャマラン映画にも通じる壮大かつ凄まじいオチ。
何故、ドキュメンタリー形式かつ作者名なのか。それは本作最大の伏線であり、魔法少女モノの集大成と言うべきあるテーマを抱えているが故です。
賛否両論あるかと思いますが控えめに言って傑作ですので是非!

魔法少女の生きざまを描く小説をこえた何かである

インタビュー形式という究極の三人称で描かれているためか、キャラクターたちをものすごく近く感じる。
感想欄の人がおっしゃってた「確かにあった物語」という言い回しがうまくてそれ以上上手いことが言えないです。すみません。
短い文字数でキャラクターの掘り下げてを一気にしていく、そのインタビューの利点を使いドラマを形作る。
発想がすばらしいです。
流石はプロ、そういう言わざるを得ません。
↑ページトップへ