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ただひとつの心残り、それは、さよなら……が言いたかったこと

  • 投稿者: 退会済み   [2018年 08月 04日 07時 32分]
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 眠気を誘う、ある日の午後、クラスメイトが教室の一角に……浮かんでいた。

「見えるの!?」
 大きな声に思わず肩が跳ねてしまった主人公。でも、ほかの人には見えないし、聞こえてもいないようだった。
 目の前で揺れる彼は、少し前に事故で亡くなり、幽霊としてここにいるのだった。

 友達との距離感を掴みかね、殆どの時間を独りで過ごしていた主人公と彼。
 そんなふたりが、幽霊である彼の心残りを探すうちに、お互いの意外な一面を知っていく。

 明日の約束とともに、さよならを交わした時、初めて心残りに辿り着いた。

 さよなら……を、ではなく、さよなら……が言いたかった。
 せつない一瞬の時間を切り取ったようでありながらも、爽やかな読後感の残る物語は如何だろうか……。
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