イチオシレビュー一覧

異世界とか異形とかチートとか今風のキーワードがいろいろ出てきますが、どうも読んでいて作者のナナメから現実社会を見るような視点が作中に反映していて、今風のライトノベルとも違う気がする。

逢魔梓、名前がいいですね。すばらしい。転生者狩りのコヨーテ、ヒロインとしてはかなり魅力的です。かっこいい。
周囲に登場する汚く腐敗した人々を気持ちのいいくらいやっつけます。強姦魔とか権力に腐敗した政治家とか、環境問題云々とか、人間の心の闇、腐りきった社会の歪みとか、作者様が常日頃からお感じになられている問題意識が作中のあちこちに垣間見ることができます。

この作品は、異世界転生と言う、ポピュラーで王道を行くジャンルで執筆されています。

異世界転生ものといえば作者の実力が露出することで有名な作品ですが、この作品は書店に並んでも良いレベルに達していると思います。

良くできたストーリーに謎の存在、「コヨーテ」。漂う濃密な世界感など、まさに自分のツボをつくないようの連発でした。且つ、物語の斬新さも忘れず、違った角度からの物語の見方や、読者に謎やストーリー等の考察を出してみろと言わんばかりの展開や構成には、ただただ驚かされるばかりです。私は異世界転生モノが好きで、よく読んでいますが今まで読んできた異世界転生モノの中で1番物語が深く、こんなにもたくさんの解釈が出来た作品はこれが初めてです。みなさんも新感覚の自ら読み解く異世界転生と言うジャンルを開拓しこの作品についての自分なりの解釈を出してみては如何でしょうか?