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しつこすぎない料理もの。あっさり風味のほのぼの物語

  • 投稿者: 葵零一   [2018年 08月 13日 20時 25分]
 この作品は、異世界に転移して現地の人間に現代料理を味合わせるという、割とありふれた作風だ。
 しかし、この作品には独自の味がある。それは、口当たりが良いというところだ。

 描写が薄いと言えば、悪く聞こえるかもしれない。
 料理ものにおいて、味の表現は重要だと思う方もいるかもしれない。
 だが、この作品を見ればきっと考えを変えるだろう。なにせ、“薄味”こそがこの作品の最大の特徴なのだから。

 別に皮肉でも何でもない。
 我々の知っている味を、笑顔で食べてもらう。それこそが、こういった作品の醍醐味だと私は思っている。
 この作品の場合、出るのは我々も知っている、味が想像できる料理ばかり。味わったリアクションはオーバーではない、普通の驚きや喜びの声で示される。
 欲しい描写のみで、くどさがない。

 非常にサクサクと読めるので、気軽に読んでみてほしい。
 きっと時間を忘れていることだろう。
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