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日本神話をあまり知らなくても……

  • 投稿者: 媛華   [2018年 11月 23日 22時 50分]
アマテラス、スサノオ、ツクヨミ……。
日本神話において『三貴子』といわれる三人の神様。
この小説を読むと、『神様だって、人間と同じ感情』を持っていたんだと考えさせられます。

弟(スサノオ)思いのアマテラス。
クールでちょっと腹黒気味なツクヨミ。
元気いっぱいだけど、うぶなところもあるスサノオ。

日本神話を知らなくても、冒険小説として充分楽しめます。
勿論、日本神話を知っていれば、よみながら色々と『神様』にツッコミをいれられる楽しい小説です。

神様の考えることとは

この作品は日本の神話を元にしつつ、独自の要素が組み込まれた作品です。

神話って結構、そのまま読んでもどうしてそうなったのか理解できない展開が多いと感じます。
古の神様のやることなので、人間界の常識はもちろん通じませんし、真意が不明なのもさもありなんです。

そんな神話に対して「もしかしてこういう理由があったのでは?」という独自解釈と設定を加えて物語を紡ぎ直しているのが本作です。

ツクヨミ、スサノオ、アマテラスなど有名な神様達に、親しみやすく人間味あふれる個性を付与し、生き生きと描き出されています。

「あの逸話には実はこういう裏事情があったのかもしれない」と新たな視点に気づかせてくれる作品です。
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