イチオシレビュー一覧
▽レビューを書く久しぶりに超良質なホラーを読ませて頂きました。これはお金を払わせてくれと言いたい作品です。
田舎の男性警官が体験した、とある男ーー小説家の独白。
失踪した女子高生に関わる、山奥の寺社に伝わる「でんぐり様」と一夜に起こるおじましき儀式。
古典的ながらも全く飽きさせず、それでいて小説家の独白がとてもリアルで奈落の穴から背筋をなぞられるような恐怖が伝わってきて素晴らしい。最後の小説家の憤怒がダイレクトに体験したような感覚に陥る程でした。
強いて言えば導入が少し掴みが弱いかな?
……と思いきやいきなりどっぷり世界観に包まれるのももしかしたら計算のうちかも、と思えるほどでした。
とても良い奇妙な体験でした。ご馳走様です!
田舎の男性警官が体験した、とある男ーー小説家の独白。
失踪した女子高生に関わる、山奥の寺社に伝わる「でんぐり様」と一夜に起こるおじましき儀式。
古典的ながらも全く飽きさせず、それでいて小説家の独白がとてもリアルで奈落の穴から背筋をなぞられるような恐怖が伝わってきて素晴らしい。最後の小説家の憤怒がダイレクトに体験したような感覚に陥る程でした。
強いて言えば導入が少し掴みが弱いかな?
……と思いきやいきなりどっぷり世界観に包まれるのももしかしたら計算のうちかも、と思えるほどでした。
とても良い奇妙な体験でした。ご馳走様です!
不気味な怪奇現象以上に恐ろしい人心の闇
- 投稿者: 退会済み [2018年 08月 18日 17時 10分]
管理
ホラーの定石、体験談調で語られるのは、田舎で起きた失踪事件の真相。
淡々とした語り口からは、深夜に百物語を行っているような不穏な気配が溢れています。
田舎の夜の不気味な空気感、山奥の寺社の異界じみた様子が目に浮かぶようです。
怪奇現象の描写ももまた恐ろしくはありますが、何より、現実で起こり得ないとは断じることのできない、人の心の闇が迫力を持って描かれています。
語りかけるような文体とも相まって、登場人物の狂気が感染先を求めて迫って来るかのよう。
夏の涼を求めるかたにはぴったりです。鳥肌がたちますよ。
淡々とした語り口からは、深夜に百物語を行っているような不穏な気配が溢れています。
田舎の夜の不気味な空気感、山奥の寺社の異界じみた様子が目に浮かぶようです。
怪奇現象の描写ももまた恐ろしくはありますが、何より、現実で起こり得ないとは断じることのできない、人の心の闇が迫力を持って描かれています。
語りかけるような文体とも相まって、登場人物の狂気が感染先を求めて迫って来るかのよう。
夏の涼を求めるかたにはぴったりです。鳥肌がたちますよ。
∀・)こんばんわ。イデッチです。夏休みに山を散策していると、廃墟と化した寺とでくわすことがあるかもしれません。その鳥居をくぐると何かの呪いがかけられる、そんな迷信を聞くことがあるかもしれません。この作品でとりあげられている恐怖はまさにそんな民族伝承を基にした話から。
∀・)でも、その民族伝承で語られていることが事実だとして、人に災いをもたらすものが確かに存在しているのならば、それはとんでもない恐怖ですよね。
∀・)「八幡の藪知らず」ってご存知ですか?神隠しが起きた場所として有名なスポットなんですが、知れば知るほど不気味で探求心をそそられます。そんな感覚をお持ちのあなたなら、この作品の底までのぞきたくなるのかもしれません。この作品を読み終えた時に「あなたが大原さんだったらどうするのか?」その答えを感想にて答えてみるのも一興でしょう。まずは最後まで一読を。逃げちゃいけませんよ……
∀・)でも、その民族伝承で語られていることが事実だとして、人に災いをもたらすものが確かに存在しているのならば、それはとんでもない恐怖ですよね。
∀・)「八幡の藪知らず」ってご存知ですか?神隠しが起きた場所として有名なスポットなんですが、知れば知るほど不気味で探求心をそそられます。そんな感覚をお持ちのあなたなら、この作品の底までのぞきたくなるのかもしれません。この作品を読み終えた時に「あなたが大原さんだったらどうするのか?」その答えを感想にて答えてみるのも一興でしょう。まずは最後まで一読を。逃げちゃいけませんよ……
『古』が薫る正統派ホラー傑作
- 投稿者: 退会済み [2018年 07月 28日 22時 56分]
管理
文化的な【死】に直面する町。
八日町に勤務する男性警察官のもとを
ひとつの小説家が訪れる。
雨に降られて。息も絶え絶えに。
彼は数年前の失踪事件について語り出す。
それは古来より、無碍野町に伝わる
恐ろしい伝説【でんぐり様】に関するものだった。
◇◇◇
『身の毛もよだつ』とは、まさにこのこと。
この物語は『四谷怪談』や『日本霊異記』をも彷彿とさせる
正統派の文学作品・ホラー小説だ。
第一話を除き、全てが「自称:小説家」の語りという
形式が採用されており、読者に語りかけているかのような
錯覚に陥るだろう。尋常ではない雰囲気が漂う。
丁寧な地の文であるため、
不要な違和感を抱くことがなく、
【でんぐり様】とは何かを追い求めることができる。
ありそうで、なさそうなリアルさを帯びた作品。
この夏に拝読したホラー小説では、
個人的に【最も不気味な小説】である。
あと、怖い。
八日町に勤務する男性警察官のもとを
ひとつの小説家が訪れる。
雨に降られて。息も絶え絶えに。
彼は数年前の失踪事件について語り出す。
それは古来より、無碍野町に伝わる
恐ろしい伝説【でんぐり様】に関するものだった。
◇◇◇
『身の毛もよだつ』とは、まさにこのこと。
この物語は『四谷怪談』や『日本霊異記』をも彷彿とさせる
正統派の文学作品・ホラー小説だ。
第一話を除き、全てが「自称:小説家」の語りという
形式が採用されており、読者に語りかけているかのような
錯覚に陥るだろう。尋常ではない雰囲気が漂う。
丁寧な地の文であるため、
不要な違和感を抱くことがなく、
【でんぐり様】とは何かを追い求めることができる。
ありそうで、なさそうなリアルさを帯びた作品。
この夏に拝読したホラー小説では、
個人的に【最も不気味な小説】である。
あと、怖い。
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