イチオシレビュー一覧

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新たなる境地、敏感系ラブコメディ。難聴系主人公の苦悩

  • 投稿者: 葵零一   [2018年 08月 21日 22時 07分]
 この作品はタイトル通り、ヒロインから好意を向けられているのを知っている主人公の物語である。
 とにかく主人公は目を反らす。見てみぬふりを続け、追い込まれていく。
 この滑稽さこそが、この作品の魅力の一つだろう。

 こう書けば、主人公に悪いイメージを抱いてしまうかもしれない。
 だが、彼を責めるのは酷というものだろう。
 誰だって、築き上げた人間関係が壊れてしまうのは恐ろしいものだ。
 そんな主人公の苦悩や葛藤が、この作品の第二の魅力である。

 常識を覆す異端なコメディと、登場人物たちを悩ませる正統派なラブ。
 この二本柱によって支えられた本作が、つまらないわけはない。

 ラブコメ嫌いな人にも見てもらいたい作品だ。
 「ラブコメディ」というジャンルの新境地を開いた作品だけに、これまでの常識は通用しないと考えたほうがいい。

ラブコメに新しい切り口

なろうの小説を読み始めてまだ日が浅い私が初めて評価したくなった作品です。

この作品はとにかくテンポがいいです。
地の文の間に挟む主人公の一言がいい味を出しています。

鈍感じゃない主人公の話は時々見かけますが、そういう話はだいたい主人公に好感が持てなかったりムカつく要素がつきまとう印象がありました。
(なお、鈍感すぎる作品はもっとムカつく)

だがこの作品は違う!!

ヒロインに手を出さない理由もちゃんと書いてあってムカつく要素があまりない。
主人公もホストみたいに女の子の扱いに慣れすぎている様子もない。

文句なしにスラスラと読めました。

まだまだこの先期待できる作品ですね。

さらば難聴系主人公

  • 投稿者: 矢崎慎也   [2018年 08月 05日 21時 49分]
 「え、なんだって?」というセリフは、ラノベを読む人であれば誰しも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
 そう。俗に難聴系主人公と呼ばれるキャラクターたちが、自分が好意を持たれていることに気づかず、ヒロインたちの懸命なアピールをみすみす逃すときに使われるセリフ運びです。彼らは決して意図的にハーレムを築きません。無自覚な唐変木であるからこそ、周りにヒロインたちが侍るようになるのです。
 本作の主人公・如月純也はそんな「難聴系主人公」とは違い、「共感覚」という感情を知る能力のせいで、望まずにヒロインたちの好意に気づいてしまいます。思春期の、それも恋愛経験が決して豊富ではない純也くんが、彼女たちとの関係を壊さないままにハーレムを築くことは可能なのか……
 公開から1週間足らずでランキングの上位に食い込み、早くも20万PVを越えたこの作品は、ラブコメの新時代を切り開くものになるでしょう。
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