イチオシレビュー一覧

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【物語のみどころ】レビュー全文は感想欄に

一番の見どころは、作り込まれた世界観だ。その世界観を伝えるために工夫がなされているように感じる。主人公は学生であり、学ぶためにこの地に降り立つ。読者は主人公と供に、講義や展示場などから学び、世界観に触れ、理解していくことになる。第一部では、主人公がこの地でどんな経験をし、どう決断をしたのか?その為に何をし、何を失ったのかが語られていく。しかしそれは物語においては序章に過ぎない。第一部の存在の意味を深く知るためには、第二部から語られていくであろう、物語を読み進める必要があるのではないかと感じた。実際に二部を少し読み進め、別の視点で語られていくことを確認。この物語は群像。群像劇には色んなスタイルがあるが、この物語での主人公は登場人物ではなく”スタージアン”、もしくは星そのものなのではないだろうか? これはあくまでも個人の想像に過ぎないが。

宇宙の彼方、未知への興味を駆り立てる本格SF!無限の可能性と共に、人と人の確かな繋がりを感じられる作品。

  • 投稿者: セカイ   [2021年 02月 22日 00時 12分]
銀河を飛び越えた航行が当たり前になった遥かなる未来で、その営みを陰ながら支えているのは、精神感応によって多くの人々が精神的に繋がった、スタージアンだった。
宇宙の彼方から訪れた彼らは、長きに渡り人類の記憶を蓄積し、先を見据え、世界を見守っている。

人の思考や感情を読み、時には他人の精神に干渉できる精神感応者たち。
それはまるで万能のようで、しかし人の思いはそれでは決して測りきれず、そして伝えきれない。
数多の星に住む様々な立場の人物たちの群像劇である本作は、彼らのそんな苦悩や希望が繊細に描かれており、壮大な世界観を楽しむことができる。

万能とも思える精神感応集団のスタージアンと、そんな彼らが危惧する未知の存在・オーグ。
数百年間の時間の中で紡がれる物語の中で、多くの人たちが様々な思いを胸に戦う本格的なSF作品。

どこまで行っても人と人は繋がっている。
それを実感できる素敵な作品です。

真実を知る時、想いの果てを見る

惑星スタ-ジア。

その最果ての惑星は、始まりの星なんだ。

星の彼方から現れたという原始の民。

彼らの事を詳しく知る人間は居ない。

この作品はこの謎に迫るにあたって、様々な姿を見せる。

果たして『スタ-ジアン』とは何者なのか?

全てを貴方が知る時、不思議な余韻と大切な何かを

知る事が出来る美しい物語です。

是非、皆様に最後まで読んで頂きたい作品です♪

オススメですよ!

未来に希望を持ち、未来を空想するという事。この作品に触れる事で貴方の「想像上の未来」も広げて欲しい。これは星の彼方に旅立ち、新たなる世界を創り上げた人類の子孫達の一つ、進化樹形のその先にある物語……☆

  • 投稿者: 堂道形人   [2020年 01月 10日 17時 06分]
本作の話をする前に。昔は、物語とは時間を掛けて向かい合うのが当たり前でした。
本は貴重な物ですから、一度読んでみて難解だったら二度と開かない、等という事はなく、何度か繰り返し読むうちに深く広がって行く物語を理解し、絆を深めて行くものだったのです。

この作品には間違いなく時間を掛ける価値があります。少女船長や悪役令嬢がぎゃあぎゃあドタバタ騒ぐ話もいいですが、こういう深みと広がりのある作品と向かい合う事は、読み手の感性や想像力を磨いてくれるのです。

「星の彼方」は進化を重ね宇宙へのエクソダスを達成した未来の人類の物語です。幾多の星系を開拓し複数の星間国家を形成し繁栄する人類。様々な文化が伝えられる中、曖昧に隠され欠落している歴史という情報。

これは人類の歴史を神としたSF神話でもある物語です。
疑問を持ち謎に挑む若者達の群像劇を、どうか御覧下さい。ハラハラドキドキするシーンも多いですよ。

力作です。驚くほどにSFです。

薦めるべき人が、これほどまでに明確な作品も、あんまりないと思います。
どういう人か?
ズバリ、クラシックな正調SF小説を読んでみたい、腰を据えてスペースオペラに浸りたい、という読者です。

他の人は、お呼びじゃありません。

ほんと、嗜好性が尖りまくっていますが、合う人にはズビシ! と、ど真ん中ストライクだと思います。
いや、マジでマジで。
こんな作品は滅多にないですよ。

読み応えも重量級です!

架空の銀河系の歴史をテーマにした、リアリティのある世界観とスケールの大きさと緻密な設定は、まるで大河ドラマの様な超長編SF作品です。

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 10月 26日 11時 20分 ()]
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 銀河系の歴史の中で起こった一連の事柄には全て、精神感応的に《繋がる》異能者たち、《スタージアン》が関与していました。

 物語は、惑星スタージアに向かう旅客宇宙船の中から始まります。

 本作品の銀河系の歴史や背景はしっかりとした根幹があります。超長編SFを執筆できたのは、きちんとした基盤があるからです。

 それぞれのキャラの心理描写は実に人間らしく、キャラ達が繰り広げるヒューマンドラマはとても濃密です。

 しっかりとした科学的な設定の上に、《スタージアン》というミステリアスな要素を盛り込む事で、上手く融合されてドラマチックさを演出されております。

 一体スタージアンとは、何者であり、目的は何なのでしょうか?

 銀河系人類千年の歴史の真実が、今、紐解かれます。
どうぞ、ご覧になって下さいませ。

※カクヨム様、ノベルアップ+様にも掲載されております。

《繋がる》心、伝わらない気持ち

  • 投稿者: 阿東ぼん   [2019年 09月 12日 19時 23分]
相手の思考を読めるからといって気持ちまで通じ合うわけではない──そんな訴えを感じるテーマの作品です。
冒頭、主人公は人類の集合無意識的なものにアクセスする権利を得ます。
そこからは、一個人の脳には収まらない膨大な量の情報が流れ込んできます。
この現象に見舞われたものは他にもいて、彼らは《スタージアン》と呼ばれます。
つまりあらゆる人々の思考を読める異能者たちが存在するわけですね。
しかし、最初に言ったように、だからといってみんなと上手くやっていけるわけではありません。
人間は不完全なのです。
ゆえにぶつかり合ったりすれ違ったりする。
緻密で重厚な描写を武器に綴られた本格派SF小説です。
宇宙旅行や未来旅行の代わりにどうぞ。
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