イチオシレビュー一覧

この作品はVRMMO-RPG、テーベ・ワールド・オンラインが舞台の世界。
主人公は男子高校生の祐二。
全てがリアルなゲームの世界。まるで皆そこに本当にいるみたい。

そこで出会った１人の可愛い女の子。
本当にマジで可愛い……可愛すぎる。

はっきり言って一目惚れ。
でも天国に昇るような幸せな出逢いから一転。

「オレ、ホモじゃないから」

え！？ーーーー中身男！？

それでもなんだかんだと仲良くなり、ゲーム初心者同士、この世界を攻略していく。
リアルのことは知らないけど、この世界では大切な仲間だ。けれどーー

自称ネカマの相棒は、いつでもどこでも可愛い。言葉が、態度が、表情や仕草が。いかん！中身男中身男中身男……

「僕を女の子の姿(こんなふうに)した責任、ちゃんととってよね」

もう惚れてもいいですかね？(泣)

雨が降れば埃が薫る。
そんな現実まで再現しかねないリアルさを誇るVR対応オンラインRPG、それが「Thebe World Online」略して『TWO』。

そんなゲームを舞台にして繰り広げられるのは、王道にもほどがあるBoy Meets Girl！
と、言ってみたり。

ひと味、違うんだよなー。
って言うのも、Boyの相手がBoyみたいな。

詳しく言おう。
主人公ユージンが出会った少女マナは『自称ネカマの銀髪マジカワイイ美少女』なんだ。

ちょっと気になるでしょ？

いや、この物語は沼だね。
悪い事は言わない。
言わないから嵌まって？(懇願)

VRゲーに咲く恋の花。
そのキモチまで仮想現実だなんて、言わせねぇよ！？

あと、礼儀だから言っとく。
ユージン爆発しろ♪

カテゴリやタグで敬遠しないで欲しい。
本作には『VRMMO』『BL』、それらの要素が確かにある。

だが読むにつれてその要素は主として書かれているものの主題でない、ような気がしてくる。

世界観に惹かれ、人物の息吹に惹かれ、キャラクター同士の掛け合いに惹かれ……そんなありふれた良さも、確かにある。
ただ、それだけではない。

この作品は『人が良い』人間の業を、まざまざと読者へ突きつけてくる。私は読んでいくにつれ、胸の中の最も刺されたくない部分を刺されていくような気がして、非常に辛かった。

しかし、面白い。目が離せない。
読みやすい文体、魅力的な世界観、共感の持てるキャラクター達。すらすらと読み進められる、作品としての完成度の高さがこの作品にはある。

そうして読んだ先で私と同じものをあなたが感じられるかどうか。

それはあなたの胸の中に『人が良い』部分があるかどうか、それ次第。

　さて、ＶＲのオンラインゲームなるものは、虚構と現実を混ぜてしまうものでございましょう。

　見目麗しき妖艶な美女。武骨かつ頼もしき戦士。少年にしか見えない盗賊。

　ありとあらゆるキャラには真の顔があり、またそのキャラに繁栄されるのは己の願望やもしれません。

　こちらの物語に登場する少年少女も、また虚構であるか、現実たるやで悩んでございます。
　なにせ、美麗にして純粋。危うくも可憐な少女の中身は、男であると公言しておりますれば。

　しかし、あぁなれど！　その少女のなんと健気な事か！
　優しく、脆く、儚く、尊い！　そんな感情を覚えてしまう程に、少女！　少女！　少女！

　少年は、かの相棒を見て何を思うのでしょう？
　現実こそ是成りでしょうか？　はたまた、虚構に活を見るのでしょうか？

　彼の選択を、少女の過去を。魅力ある人々を。
　是非その目でご覧になっていただきたく存じます。

「俺、MMOでハーレムパーティー作ってたんです」
「ふーん、それで？」
「オフ会やることになって、みんな可愛かったし期待してたんです」
「へー（直結厨かよ……）」
「そしたら、みんな男でっ」
「ぷっ」
「全員でニヤニヤ俺を見てるんです……！」
m9(^Д^)プギャーｗ

MMOの女性キャラ、中の人は9割男！いわゆるネカマ！

ヒロイン、マナちゃんは超可愛い！仕草もいじらしくて超萌える！でも自称ネカマ！
え？こんなに可愛いのに男のハズ無くない？
いや、こんな可愛い子が女の子のハズがない！？
男の娘でもいいじゃない！！
海村先生の描くヒロインに主人公の、そして読者の純情がころころと転がされていきます！
あぁん、でもマナちゃんのイラストも可愛いのん！

でも、最終話でマナちゃんの中身が『純情な少年を弄ぶ、歴戦のネカマオッサン』で感想欄大炎上！にちょっと期待する俺がいる（死）

この作品はヒロインを笑顔にするために奮闘する一人の高校生の物語
…なのだがそのヒロインの中身は自称男
主人公はそれを理解した上で、それでも彼女の手を取り、共に冒険をして、笑い、泣き、絆を深めていく

VRゲーム作品といえば
チート無双やデスゲームやまったりスローライフ物ばかりだがこの作品はそのどれにも当てはまらない
ネカマというあるあるネタを主軸に据え、それを巧みに生かした冒険恋愛小説だ

果たして本当の愛とは何ぞや

　本作は、自称「リアルは男の子」のヒロイン（マナちゃん）と主人公（ユージン）がＶＲ世界を通じて恋愛するお話です。

　本作のヒロイン（マナちゃん）は、「実はトラウマを抱えた女の子」というふうにも見えるので、私は、はじめはそんなふうに読んでました。おお、私はＢＬ苦手なはずなのに、この作品は面白いぞ！　と。

　でもね？　いつしか「性別なんてどっちでもいいんじゃね？」って思えてくるんですよ。主人公のユージンがいいヤツでね。もう「ユージンになら、マナちゃんを任せてもいいや」って。

　本作は、いつのまにか、「性別とかどうでもいいから、とにかく二人幸せになってくれ」と願いながら読むことになる。殺伐とした心を癒やしてくれる、そんなＶＲ作品です。
　

たくさんあるＶＲゲームもの？あきた？
つくづくそう言いたくなるのもわかります…が、
みんな一緒と思っちゃいけません！

先ずは少年、お金ためてＶＲ世界へゴー…ここまでは定番。
生成したキャラで出会ったのが超絶美少女…これもいい。
よりにもよって中身が「男」…ネカマ…ぎりぎり許せる？
ろくでもない男二人ゲームのはずが…超絶可愛い…あれ？
しっかりもので面倒見よくて、傷つきやすくて…あれれ？
くるおしいほど純情で、いつもけなげで…あっれぇぇ？

お薦めしたくなる気持ち、読んだらきっとハマって納得。
ネカマがどうした？いまここにいる「彼女」はこんなに
がんばってて、けなげなんだ。文句あるか！って
言いたくなっちゃいますよ。そんな素敵なお話なのです。

しっかり丁寧な文体の温かいムードと、
まれに見えるゲーム世界の不自然や不気味さ。
すみずみまでしっかり作ってあるから安心です。お薦め。

　VRゲームにのめり込む主人公の元に現れたのは、全身真っ白な美少女。ここまではよくありそうな展開。
　ただ、主人公はゲームコントローラーを握って、ヘッドマウントディスプレイを付けているだけ。彼女に触っても感触がなく、抱きしめると運営から「警告」が表示される。
　そして、彼女も本人曰く「現実では男」。つまりネカマ。
　これはあくまでゲームの世界での話。主人公はあくまで現実世界では高校生。
　そこにスポットを当てているので、ただのソフトな異世界転移ではなく、ゲームならではの距離感が楽しめます。
　シチュエーション的に出尽くしたであろう「ラブコメ」展開に新しい風を吹かせる本作、読めばきっとハマること間違いなし。
　作者の技量も相まって、作品の世界にどんどんのめり込むのも特徴だと思います。BL好きはもちろん、そうでない人も是非読んでください。