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天理妙我といえば押韻。

  • 投稿者: 潮風詩央   [2020年 06月 21日 09時 27分]
天理さんの他作品ですと、『現代短歌』(五七五七七)や『十四行詩』(ソネット風)といったように音数・行数にも制限をかけたものが目立ちます。ところが、本作品は配列に制限はありません。自由形式で、かつ全ての行で“脚韻”(文の後ろで韻を踏むこと)をしています。これにより、①思う存分韻を踏める。詩によっては頭韻、踏み返し、全文韻など技名のオンパレードなのもあります。②内容重視にもできる。裏を返せば、韻を踏んでいない部分は何を書いてもいいはずなので。いいはずなのに、天理さんの詩の90%以上は社会風刺です(笑)ここが、もう一つの凄いところで、韻文詩×社会風刺=閉塞感という方程式が、一貫したテーマになっているように感じます。なぜか、書けば書くほど、韻を踏めば踏むほど、閉塞感が増していく。ぶ厚い壁に風穴を開けて、そこから射す日光が何よりも美しいけど見られないような(?)イメージを抱きます。とにかく読んで!!
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