イチオシレビュー一覧

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秀逸な文章構成力が、この作品を単なるざまぁ小説や平凡な恋愛小説では終わらせない

ざまぁ展開されそうなタイトル名だが、実際は主人公の身の上を端的に表したタイトルであり、ざまぁ展開はおまけのような扱いになっている。
いや、おまけ扱いは実際には語弊がある。ざまぁ部分の見応えも抜群だ。それ以上に、秀逸な文章構成から織り成される主人公隠者コンビの日常ドラマや、手に汗握る冒険譚、繊細かつ丁寧に描かれる心象描写等々、見所が多い上に濃密であるため、ざまぁ展開がその中のイベントの一つに落ち着いているのだ。あれほど手酷く主人公を廃棄した勇者が因果応報を迎えているのに、「正直どうでもいい」と思わせる構成力は素晴らしいの一言。すかっとして終わりではないのだ。

勇者によって傷ついた主人公の健気さや優しさは、読者にもっと隠者との生活を見守りたい、主人公に幸せになってほしいと願わせてくれるはずだ。
これといった欠点の見当たらない、なろうの中でも秀逸な作品の一つである。

対比的ヒーローヒロインの最強タッグが熱い。

知識は人並み以下、容姿も普通で年並以下の外見、しかし稀代の優れた肉体スペックを持つ凄腕の守護者である主人公。その一方で、彼女を保護したのは圧倒的知識の塊である隠者にして、超絶イケメンの魔法使い。この2人、これでもかと言うくらいに相対的なのに、孤独という一点だけは共通で、お互いにお互いを補い合う、最強のタッグとして猛威を振るいます。その様がなんとも痛快で、先の気になる、とても優れた設定の作品です。
これからのストーリー展開を暗示する伏線も随所に見られ、期待感も高まっています。
タイトルはミスマッチ感が強く、最近流行りのリベンジものに寄せてっている印象で、タイトル通りではありません。
ざまあはオマケみたいで、本領は上記です。
最近は共依存的な傾向が見られる主人公達の、ラブというより家族愛、ペットのようなやり取りが微笑ましく、更新が楽しみです。
このようなものが好きな方にはおすすめの作品です。

きっとそれは正しく、愛と勇気の物語

  • 投稿者: 六角 橙   [2018年 10月 23日 21時 05分]
主人公は言葉を知らない、言葉を読めない、だがそれは決して無知と同義ではない。
隠者は語らない、賢者のように先を行かない、だがそれは決して過ちではない。

小学校の図書館の本棚で、一際目を引いてくるやや分厚い本の様な気配を感じる。

きっとこの先に、心躍るような世界が広がり、そこに無数の人が暮らしながら、やがて主人公も幸せをつかめるのだろうと思える物語だ。
いわゆるざまぁ要素というものもあるし、タイトルで嫌煙してしまう人もいるかもしれないが、どうかそこを超えて読んでみて欲しいと、15話目まで読んでそう感じた。

願わくば【彼女】に幸いがありますように。

護った相手は実力も内面も勇者じゃないからタイトルに語弊はあるけれど主人公の幸せを祈らずにいられない物語。ざまぁもあるよ

  • 投稿者: みかん   [2018年 10月 23日 16時 21分 ()]
もうほとんど題名で語ってしまったので何を書こうか。

まずはあらすじを。
主人公は人間じゃない。混血児である。
人間ではない混血への蔑視ゆえにパーティーメンバーに虐待されながら、みんなの盾になり、雑用を行い、家事全部をこなしていた。

そんな日々の最中、ある依頼の失敗をした原因にされて吹雪の中の粗大ごみ置き場に捨てられてしまう。

そんな主人公を救ったのは砂漠の隠者だった。
番犬としての仕事を与えられた主人公はやさしくしてくれた隠者になついた。超なついた。

そりゃそうだ。
どん底にいて誰もやさしくしてくれない中、手を差し伸べてくれる人って天使に見えるよね。
自分の命を差し出しても構わないほどの恩義を感じるよね。

やっと人間らしい生活を手にし、やっと幸せになれるフラグを建てた主人公。
やさしくてバカでお人好しな主人公に幸あれ。
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