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味の違いがわからないゴミに食われたくない、という気持ち

  • 投稿者: 繭美   [2019年 08月 07日 08時 53分 ()]
なんで就職できないんだろう、とか
なんで赤文字通知が来ないんだろう、とか
そんな気持ちになるときは「こんなに努力したのに」「もっと俺を見ろ!」という気持ちも同時に、沸き上がってこないだろうか。

「ぶどうの気持ち」はそんな、隠しておきたい感情を赤裸々に、ユーモアたっぷりに、どこか淫靡に書いた700文字少しの掌編だ。主人公はひと粒のぶどう。

この作品が心に残ると、ぶどうを食べるときに、きちんと手を洗って、なるべく優雅に食べてやりたくなる。なので、昨年十月に投稿された作品であるが、ぶどうが出回っている今の季節にレビューを書くことにした。

作者さんはそう作品を書かれていないし、もうなろうさんを覗いていないかもしれないけれど。
執筆時期は人生の節目であったと思うので、レビューを書くことで「One of themではない」とお伝えしたい。私は皮つきぶどうを食べるたびに、この作品を思い出す。
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