イチオシレビュー一覧

作品のテーマ、そしてタイトルは普遍的だ。
beyond＝なになにを超えて、とかそんな意味だ。

主人公は運命に反逆し、そして超えていく者だ。
悲しい出来事、強大な敵、手にしてしまった力。

全てが抗いがたい出来事だ。とても超えることなど出来そうにない、それらを毎回傷だらけ、血だらけになって超えてゆく。

貴方の超えるべき出来事を思い浮かべてほしい。
それは容易い相手か？　辛く、険しい道か？
貴方が超えるべきモノを持っているのかどうか、それがどんなものか、私は知らない。
私が知っているのは超えようとする者だけが、超えることが出来るという当たり前で厳しい真実だけだ。

物語は作り物に過ぎない。しかしこの当たり前は物語も現実も同じだ。

ファンタジーがもつリアル。体感せよ。
超越者の姿、目撃せよ。

異世界転生で主人公最強な設定、ゲーム的なスキルやパラメータのある作品が溢れかえっていて、正直飽食気味……

そんな時たまたま出会ったのが、この作品でした。
まず前提としてこの作品、ハイファンタジージャンルとしては話自体が重く、暗いです。
話が本格的に動き出すのは3～4話目で、展開もそこまで早くありません。（逆に言えばその分しっかりと文章を書かれています。）
グロテスクな表現はエグめのがガンガンに出てきます。
この辺りは好みが分かれると思いますが……。

バトルの書き方はとても迫力があり、この作品最大の目玉と言えるでしょう。そこらのラノベとはレベルが段違いです。
魅力的なキャラクターも多くて、意外なユーモアがあったりしてバトルの隙間も飽きさせません。

そろそろ異世界無双系の作品に飽きてきたそこのあなた。
是非Beyondを読んでみてください。
きっと熱くなれること間違いなしですよ！