イチオシレビュー一覧

万病を克服し、寿命さえ無くなった未来。人は増え続け、溢れた。ならば創ろう、誰でも気軽に逝ける人造の天国、仮想死後世界を。報酬は四十億、任期は千年、加速された時間の中、新米公務員は、新世界の神となる。

百年以上先の未来は、果たしてどんな世界になっているのだろうか。私にはとても想像がつかない。
しかし、自然科学をこよなく愛する医科学系研究者な作者:Lizreel氏は、如何なる病気であっても治せる万能薬が有ればという思いから、この小説をきっかけに一人でも多くの人に科学を好きになってもらえるようにと、いつかこんな未来を見てみたいと、誰かが思えるように、この小説を創造したのだという。

ヴァーチャルといえばVRMMORPG小説な、SFとは名ばかりのゲーム小説が多数の「小説家になろう」において、真にサイエンス・フィクションとしての仮想現実の福祉、精神医療への可能性、未来世界の科学技術と人類社会、人間の心と自我、技術的特異点の先に焦点を当て、科学は、人類は、人工知能はどこへ行くのかを描く、本格サイバーパンク小説の傑作である。

とぼけた赤い神様は、その尋常ならざる父性を持って、人々を導き、見守る。

仮想世界の神様と愉快な仲間たちの物語

  • 投稿者: 楠瑞稀   [2011年 12月 04日 00時 51分]
この物語の魅力を語るとするならば、やはり主人公・赤井さんのお人柄になると思われます。
彼の魅力は、そのひょうひょうとした明るさに尽きるでしょう。
彼の人柄や姿勢は、仮想世界の民や仕事仲間のみならず、読者である我々に対しても元気と勇気を与えてくれます。
もちろん人柄のユニークさで言ったら、他の人たちも負けてはおりません。主人公赤井さん以外の登場人物たちも血肉の通った楽しくも素敵な人たちばかりなのです。
キャラクターの素晴らしさの他にも、この物語の魅力は数多くあります。現実世界で起こる水面下の事件と企みはその断片が浮かび上がるたびに、固唾を呑んで何が起きるのか探らざるを得ません。
ほのぼのとした仮想世界と、暗い部分が見え隠れする現実世界とのギャップもこの物語の魅力を引き立てるスパイスになっているのだと思います。
そんな愉快な赤井さんとその仲間たちが繰り広げる創世の物語、かなりのお薦めです。

読まず嫌いで終わらなくてよかった作品

  • 投稿者: Teller   [2011年 09月 12日 18時 19分]
なんというか、説明文や名前で敬遠していた作品だったんです。
でも、ある日思い切って読んでみたところ、非常に読み応えのあって、きちんと物語が練られて作られていました。
他の作品とは頭一つ出てると思います。

死後に行き着く箱庭な世界を育てていく主人公と周りの人たち。現実世界で企てられそうな陰謀や箱庭世界での主人公に起こるトラブルなど…

安心して読める作品です。
どうか皆さんにも見ていただきたいです。

もしも神様になれたら

何か不満がある時、自分が神様だったらこうするのに、なんて思ったことがあります。神様とまでは行かなくても、魔法的なものが使えたら、なんてのは誰にでもあるんじゃないでしょうか。
しかし実際に神様になったら? ウハウハ生活? いやいや神様はそんな生易しい職業(?)じゃない。
主人公は神様になれたのに苦労しっぱなし。こうしてみよう、ああしてみよう。自分なりにがんばって満足して見ても、気がつけばおちこぼれに。
だけど民との生活で癒され、時には襲われかけ(!?)ながらも民を愛して自分の道を進む。
主人公がどんな神になり、どんな世界を作るのか。それはきっと、神もしらない。

一人称を上手く使われていてリズムが良く面白いです。

万能の神様になってみたくはないですか?

  • 投稿者: 檀徒   [2010年 11月 26日 23時 03分]
神様になれたら、なんでもできるのに。
そんな風に考えたこと、誰しもあるかもしれない。
主人公は何故か神様になれたのに、そんなに世の中甘くない。
次々と民に起こる問題、思った通りに進まない世界。
他の神様はうまくやっているのに、とうとうおちこぼれ神になってしまった。
でもその神様は、類稀な熱い心を持っていた。
めげない。とにかくめげない。
ひどい目に遭っても耐える。
与えるのはとにかく愛。
民たちとのやりとりにほっこりするのを見ているうちに、
最高の神様になるんじゃないかと思えてくる。

主人公の作る世界は、どこか温かい。
あなたもその世界を覗いてみませんか。
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