イチオシレビュー一覧

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勇者「魔王倒したし帰るか」を読んで

  • 投稿者: ゆめ   [2025年 02月 01日 20時 38分]
今までになかった勇者RPGの真実やダークな点に焦点を当ててて新鮮でした。最初は勇者がこれまでの冒険について王城で語っていくのですが、その壮絶さがすごいです。たった4人に世界を託す人間の無責任さや他力本願がリアリティがありました。これを読んだ後に他のRPG物を読んでしまったら、視点が変わってしまいそうです。そして是非後半の僧侶の日記まで読んで欲しいです!めっちゃ泣きました。

一生に一回は見た方がいい神作品

  • 投稿者: 七海飛鳥   [2024年 09月 17日 05時 35分 ()]
RPGゲームで、数多く使われているご都合主義の補正を外し、より現実になったら、こういう感じかもしれないな、という事を考えさせる作品だった。

誰か一人を犠牲に多くの人間の平和が成り立っていて、それは地球上の歴史でも何度も繰り返されている出来事だと思う。
大量殺人鬼も、TPOが違えば救国の英雄となる。人々が言う『英雄』とはいったいどういうモノなのか、深く考えさせられる。

いいことをすれば、必ずいいことが返ってくる訳ではない。
人間、自分の不利になること、不都合になることに対し、積極的に手を差し伸べようとはしないし、興味もない舞台裏なんか、理解できるかどうか以前に知ろうともしない。

それはいつの時代でもどこの国でも、同じことだ。
この勇者一行を救える人間は、果たして世界中でどれくらいいるのか。

素晴らしい作品を、ありがとう。

10年来定期的に読むお話

  • 投稿者: やにカス   [2024年 09月 01日 00時 46分]
賢者の石が衝撃的すぎてずーっと頭に残ってる。十年以上。
割にドラクエを彷彿とさせる設定が多いなか、そこに、魔物はお金を落とさない。食料や水を管理しないと死んでしまう。強力な薬効には副作用がある。人(に似た魔物)を56す、食すのは慣れる慣れないでは片付かない。物流や物価の問題などなど、現実的な問題を加味して考えられたダークファンタジーと言った具合。
魔王の脅威が少ないのか非協力的で、人間側が露悪的に書かれてるのは、少し過剰かな。そういうお話で納得出来る範疇ではあるが。

幸せがしあわせたる所以

  • 投稿者: A4si   [2024年 04月 19日 00時 01分 ()]
この作品は作中通して、一貫して希望などありません。1から100まで絶望で満たされた旅路に小さく丸い石程度の幸せがぽつぽつとあるだけ。仲間以外の全てが敵。誰も分かってくれない。知らない。なんで、どうして。悲しい。虚しい。苦しい。この感情のやり場なんてどこにもない。

栄光ある勇者たちの果てに、どうしてなのか救いは無い。

ファンタジー世界の裏側の現実を突きつけられる作品です

 レビュータイトルの通り、これはファンタジー世界の裏側の現実を突きつけられる作品です。
 勇者が仲間と旅をし、色々ありながら魔王を倒し、帰国してから英雄になる。ただそれだけの物語。

 ですが、そんな簡単に行くはずがありません。
 死んでも蘇生魔法があるから大丈夫。魔物をバシバシ殺せてお金がガッポガポ。
 ――そんな甘い話なわけがないでしょう。

 英雄譚の、すっ飛ばされがちな重要な部分にスポットライトを当てた、救いのない物語。
 そこら辺のお手軽ファンタジーなどとは比べ物にならない重みと深みがあります。ファンタジー好きの方にはぜひおすすめしたい作品第一位です。

知ってる人は知っている。

  • 投稿者: UV   [2022年 02月 24日 16時 59分 ()]
哀しき勇者の冒険譚。
貴方はこの作品できっと冒険の本当の意味を知る事になるでしょう。
人とは、世界とは、理とはなんなのか、と、きっと考えさせられる事でしょう。
楽しい冒険を見ているそこの貴方は、真実の扉を開きますか?
それとも夢現の中で理想の冒険を致しますか?
彼らは、どんな想いで冒険をして、旅をして、何を見てきたのでしょうか?
彼らの冒険は終わりを告げた。
これはそんな勇者達一行を綴った物語である。
一度扉を開いてしまえば、戻れないかも知れません。
それでも宜しいですか?

さて、もう一度お聞きします。
貴方は、この真実の扉を開きますか?

yes←
no

なろうでファンタジー書く人は先にこれ読んで欲しい

  • 投稿者: 雪洞   [2021年 08月 13日 16時 53分]
魔物を殺すことに何も感じないわけがない。
人を殺した感覚が消えるわけがない。
回復魔法?蘇生魔法?だからって簡単に死ねるわけがない。
食料に睡眠?当たり前のように手に入るはずがない。
旅先々で感謝されまくる?
起こるイベントは全て円満解決?
ハーレムにデレデレしながらたまたま才能を持って産まれただけのガキが世界最強?
ギャグコメディの間違いか?
最近のファンタジーものは色々なことが「軽すぎる」。
死を賭けた旅が「色々あった」で済むはずがない。

その他ジャンルに燦然と輝く

個人的にはハイファンタジーでも良いような気もしますが、それは些細な事です。

RPGで勇者は仲間を集めて魔王を倒す旅に出ます。

その間いろんなことがありまして……無事に魔王を倒してめでたしめでたし。

そうはならないのがこの物語。

勇者によって語られる過酷な旅路。

僧侶の手記による厳しい現実。

普段誰も考えつかないようなことを私たちに突きつける、そんな想いを抱きます。

ひろいせかいで どこまでも いつまでも

  • 投稿者: 甘夏   [2021年 03月 27日 17時 56分]
もしこの日本が、ご都合主義で出来ていた世界なら?
もしこの日本が、誰も死なずに、誰も「死ねず」に、魔法によって蘇生されて、いつまでもいつまでも死んで死んで死んで生き返って生き返って生き返ってただただ「勇者」「魔法使い」「戦士」「僧侶」という名目で魔王を倒すために物のようにぞんざいに扱われて、仕舞いには魔王を倒して自分以外の仲間が残酷に消え失せる世界だとしたら?
正直に言う。私はこの作品を読んでから、異世界転生系が読めなくなってしまった。書けなくなってしまった。
彼らがどのようにして魔王の元へと向かい、どのようなさいごを迎えるのか……それを見るのが怖いのだ。
……しかし、それでいいと思った。知らなければいけない事実だと思った。
これはあくまでもフィクションだ。しかしフィクションではない。
小説を書く際、心に留めて書こうと強く思った。
ひろいせかいで どこまでも いつまでも

理不尽な世界で生き続ける

この作品を読んで最初に思ったことは「勇者とは?」です。

勇気ある者?人類を守る英雄?悪を滅する正義?少なくともこの作品の勇者は英雄ではないでしょう。

しかし、勇気ある者だと思います。ただ魔王を倒すためだけに全てを捨てた世界一勇気のある世界一の愚者。

それがこの作品における勇者だと私は思います。

勇者は強い。勇者は死なない。勇者は負けない。
……本当にそうでしょうか?

勇者だって人間です。

世界は理不尽です。もしこんな世界を作った神がいるのならばそれは神ではありません。

この世界は理不尽に溢れています。この世界は、ゲームみたいには行きません。
それが、現実なのです。

しかし、そんな理不尽な世界を、現実を、「私達」は、歩み続けるのです。

いつか来る、死の瞬間まで。
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