イチオシレビュー一覧

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あり得たかもしれない世界の話

 まずはもう最初の説明の段階で作者はなんて誠実なんだと思った。
創作は脳に蓄えられたインプットを混ぜ合わせて文章化していく作業という面があるが、それはあくまで作者の脳だけの話。
作品のあらゆる事について作者は理解があるにしても、読者にとってはまた別なのだ。
それをまず作者は丁寧に説明をしてくれている。
その時点で少なくとも本作を読もうと思った人は好感を持つだろうと思えた。

 説明についても、戦国時代というのはそもそも義務教育に於いて勉強するべき物であるのだから、多少の説明など何のそのという個人的な考えがある。
しかも本作は多くの戦国物と違い完全なオリジナル作品だ。
戦国物が好きだった人に刺さらない事は無いだろうと思えた。

 一話毎の文章量についても多くの作品から比べると非常に少ないが、それが逆に良く作用しているように思える。
一歩ずつ確実に歩を進める様は知を使う戦いそのものだと思った。

群雄割拠の世界を駆け抜けろ!

  • 投稿者: ホシタネ   [2021年 10月 14日 07時 48分]
日本の史実戦国時代を彷彿とさせる、大名達が群雄割拠する世界を舞台とする作品。何十名もの多種多様な武将達が各々の思いを胸に、手に汗握る戦いを繰り広げて行き、一寸先も見えない展開に圧倒される。奇襲、謀略、裏切り、権力闘争…果たして秩序を失った世界に平和をもたらす事が出来るのだろうか?

歴史好きな方や戦いを見たい方には是非読んで頂きたい一作。

TRPGのGMさんにオススメなシナリオな感じ

  • 投稿者: 退会済み   [2021年 09月 29日 16時 21分]
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この作品は『第4回雑食ベアーの小説読むよ』に応募された作品となります。

私はこの作品を当たりと判定いたしました。

まず、良い部分としては、
・冒頭の惹き
(世界の創造をする)
・読みやすい文章
(やや説明が多いが朗読しても違和感ない)
・確立された世界観
(実際にあるのではと思う程の世界)
・没頭する物語
(主人公は騒乱をどのように切り抜けるか?)

特にTRPGの良シナリオを読んでいる感覚が凄かったです。

読んでいない方はこの巡り合いで是非!
お読みくださいませ!

架空の世界で描かれる、覇道の物語

 とある島国を治める三浦幕府は、権威を失いつつあった。
 各地を治める大名たちは次第に国力を高め、幕府に匹敵するだけの力を備えていたが、将軍守護職たる白河家の一睨みによって、辛うじて均衡を保っていた。
 だが、その均衡を破ろうとする、一人の男があった。
 出自は平民。だが、その非凡な頭脳によって成り上がった男、大村義藤――のちの、志太祐藤である。
 志太家は、白河家の同盟関係という名分の下、その庇護下にあったが、祐藤の采配によって国力をつけ、外交で上手く立ち回りながら、徐々にその力をつけていく。

 単純に覚書のように書き記された戦記。あるいは、歴史書のような印象すら覚える小説。架空の世界、想像つかない世界で、祐藤はさまざまな策で大名を降していく。
 志太祐藤による、大胆不敵な成り上がり天下統一物語。
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