イチオシレビュー一覧

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決して交わることの無い、儚くも温かな異世界交流録

  • 投稿者: お出汁   [2020年 07月 14日 22時 05分]
決して交わることの無い筈の、二つの世界、二人の主人公が、古びた一冊のノートの文字の上で出会う物語です。

物語の内容もさることながら、特筆すべきは文章に散りばめられた無数の表現達の透明度です。印象的で、それでいて一切のワザとらしさやくどさが無く、周囲の文字に溶け込んでサラリと頭の中へと入ってくること間違い無しです。

科学に生きる男と、幻想世界のエルフの女王。深海と空の彼方程に隔たれた二人が紡ぎ出す一冊の記録を是非!!

全ての作家に届けたい『物語』のための「物語」

  • 投稿者: 如月 十七   [2018年 12月 09日 22時 10分]
私たちが書いている小説とは一体なんなのか。
ただの文字の羅列では無いのは明白です。
しかし、その意味を問われると答えに迷う人もいるでしょう。

明確な定義を持たず、ただひたすらに思いのままを書き綴った作品たち。
様々な理由で日の目を見ることができなかった没ネタたち。
読者に受け入れてもらえず綴ることを諦めた作品たち。
ただ五十音を組み合わせた文字の羅列ではないならば、彼らは一体なんなのだろうか。

この作品はその答えを持っています。
小説とはなんなのかを、彼らの存在意義を、私たちが紡ぐ世界の意味を、重さを、切なくも優しい物語が必ずあなたに届けてくれます。

これは紛れもなく『物語』のための「物語」です。
ぜひ、物語を愛してやまない全ての方に届いて欲しい。

世界を自分の手で壊す前に、ぜひ手にとってほしい

  • 投稿者: 羽田 共   [2018年 12月 07日 20時 33分]

レビューなんて書く気は無かったです。執筆をする時間が惜しいですから。

それでも、なおレビューを書かざるにはいられない。そんな素敵な作品です。

まず、美麗な言葉選びが秀逸です。
儚く消えてしまうシャボン玉のような世界観とカチッと歯車が合っています。

また、主人公とシオンの掛け合い。
これに関しては、ネタバレしたい。ものすごくネタバレしたい。ですが、それをするには、私の文書力では表現できないため、一つ言わせてもらうならば、シオンはシオンであるということに意味があるー、ということです。

私も執筆をしていますが、周囲の評価が低く、自分の手で壊してしまおうかな。そう考える気持ちもありました。

そんな人にこそ読んでほしい。

あなたの画面に今、1ミリ遠くのファンタジーを展開しているのではありませんか?
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