イチオシレビュー一覧

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印象は戦いと料理

  • 投稿者: ブーブク   [2020年 09月 19日 21時 27分]
ヌンチャクに魅せられた10歳の子供が、子供とは思えぬ思考とアクションを見せる超大作!!そして、この子供、性格はドライで同時に周りに対する気遣いも持っているという…大人じゃん!!
料理の話も出て来て、作者の日常でのこだわりをところどころ感じてしまう。主人公がヌンチャクにこだわるのも、そういった作者の傾向なのであろう。
また、異世界ものならではのオリジナル料理なども登場し、想像を十分に掻き立てる。
彼のつくる異世界の描写にも注目させられた。

政治よりも家事という教え

  • 投稿者: 退会済み   [2020年 01月 08日 13時 47分 ()]
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幸田文女史の父君は、明治の文豪幸田露伴ということは、多くの方々がご存知の事実であるが、彼は娘に家事のことを完璧にするように厳しくしつけていたのらしい。これは儒学でいうところの、「家を治る者は国を治める」という言葉を実践したのかと思いきや、否、それだけではなく、どうやら露伴山人にとっては、家事というものこそが生きることの基本でありゴール地点であったと、即ち、「始まりにして終わり」と思っていた節がある。翻るに我々、幻想小説愛好者は、目の前の小事なる現実を閑却し、はるか遠くの遠大な蜃気楼に心を奪われて、せっかくの人生を胡乱に過ごしていないだろうか。ふじわら氏のこの小説の家事、掃除を重んじる展開は、読者の方々にまずは目の前の細やかな現実から変えれば、蟻の一口のように、巨大な山のような現実を動かすことができるのだよ、という警世の訴えであろうと、推測するが、そこは読者諸氏の判断を乞いたい。
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