イチオシレビュー一覧

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愛と優しさの輪廻

  • 投稿者: 風音紫杏   [2022年 01月 23日 21時 53分]
父親に捨てられ、政略の駒になるためだけに正家へと引き取られたヒロイン、パメラ。

両親と死別し、若くして爵位を継いだものの、それ故にやっかみを受け、深く傷を負ったヒーロー、アドニス。

二人共、傷を負いながらも、それを隠すために、自分の心を真逆の方法で閉ざします。

パメラは、常に笑顔を絶やさず、アドニスは侮られぬよう。強くあろうとしたせいで、笑い方を忘れてしまっていました。

そんな二人が出会った時。冬は、春へと歩み始めます。

きっかけは、パメラの知識と、温かな優しさ。

そんな一滴の波紋が、周りの皆の。そして、頑なに閉ざされたアドニスの心を溶かしていきます。

彼女の優しさは、彼女を育てたシスターから伝わったものであり、そのシスターは、自身の祖母からマッサージという人を笑顔にする術を学んでいます。

そんな、苦しくなるくらいに純な愛と、巡り廻る優しさの輪廻を。

味わって下さい。

優しさ 思いやりの連鎖に酔いしれましょう

  • 投稿者: 水渕成分   [2020年 08月 14日 23時 20分]
家紋武範様の「看板短編企画」参加作品だそうです。

テーマは異世界恋愛。文字数は2万4千字ちょっとと短編にしては長めですが、テンポ良くスムーズに流れる文章はそれを感じさせません。

主人公は政略結婚で嫁入りしたパメラとその夫アドニス。物語は二人の視点が交互に行き交いながら、進んでいきます。

二人の共通点。それは過去の経験で心に傷を負っていることです。そのことが二人に試練を呼びます。

だけど、パメラは明るい優しさと思いやりでそれを乗り越えていきます。

そして、最後は彼女自身の心の傷も……

さあ、この物語を紐解き、優しさ 思いやりの連鎖に酔いしれてください。

愛とは巡りめぐるもの

  • 投稿者: 秋月   [2019年 09月 28日 16時 37分]
パメラ、彼女は少し変わった所のある、いつも笑顔の優しく朗らかな女性です。

パメラが7歳の時に母親が病死すると、父親から『母親に似ているパメラを見るのが辛いから』という身勝手な理由で捨てられ、孤児院へと引き取られました。そこでシスターから一冊の白いノートを貰います。

やがてパメラの母方の血筋が没落寸前の貴族と分かり曾祖母の家へと引き取られると、家を建て直す駒となるべく教育されます。
やがて15歳になったパメラが政略結婚で嫁ぐことになったのは、心に傷を持つ新進気鋭の男爵、アドニス。

最初男爵家ではアドニスも使用人もパメラを認めてはくれません。でもへこたれないパメラは予想外の方法で距離を縮めていきます。

そんなパメラとアドニスの恋に読者はドキドキしつつ、時にハラハラしながら応援する事でしょう。愛とは何かを知る事でしょう。

そして読み終わり涙が伝うその顔は、きっと笑顔に違いありません。
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