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点々と伝い、転がり、到達する一つの終点・再起の道

  • 投稿者: 退会済み   [2020年 04月 20日 17時 58分]
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※理解力不足につき意図を誤って受けているようでしたら申し訳ありません

この物語はある作家の苦悩から始まります。彼の作品の名は平成。彼は特異点を完結地点として定められた歴史上の盤・アカシックレコードの筆者でした。
ある日彼の元に届いた通知。それは彼の連載の終了が決定したという、作家にとって死刑宣告に近しいものでした。編集部に連絡をとった彼は、作家として一つの選択をとるのですが……

作者にとっての矜持と、常に流動し続ける歴史。どちらも容易に目に見える・手で掴めるものではないかもしれません。
しかしそれらが私達の中に根付き、寄り添っていることも事実です。
この物語は、慌ただしく過ぎ去った平成という一つの時代に向けた労いと、日々研鑽を重ねる作家達へのエール、一喝であるように思います。
「私達は存続し・書き続けていく」。歴史と創作活動とをリンクさせて描かれた、独特な視点と発想が冴え渡る作品です。
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