イチオシレビュー一覧

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病を治すことと民が平和に暮らす世界を作ることは、根は同じ

獣医師が異世界転移したついでに九尾の狐に憑依されてTSするところから始まるこの作品は、序盤は獣医師の経験を活かしつつ、異世界の住民(モンスターと表現される)の病の治療や予防をしていくお話だ。

ところが、その中で仲間を増やしていき、世の中の悪意と対峙して敵を倒し人を救う冒険ものの側面が強くなる。
ついには国を興し、モンスターが平和に暮らせる世界を目指すお話になっていく。

獣医師としての性質は随所に見せつつ、医療ドラマ的な物語ではない。けれど、医師として病に立ち向かうことと、冒険家や国の指導者として悪に立ち向かうことは似ていると思った。

イーナはモンスターが平和に暮らす世界のために走り回る。それは、病に苦しむ者を救う努力となんら変わらない。
医師も為政者も方向性は違えど、人の苦しみ悲しみを軽くさせる仕事と言える。そしてイーナはその両方ができる。だからやる。
イーナの姿が美しいと思えた。
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