イチオシレビュー一覧

人間不信になってしまった冒険者四人がひょんな事からパーティを組んでしまう作品。
話自体はスローテンポなものかと思いきや、人間味溢れてオモシロ展開もある日常パートと熱い戦いが繰り広げられる戦闘パートのコントラストが楽しく、そして毎章毎に起きる事件が小さな歯車が組み合うように静かにそして確実に大きな物語へと繋がっていく展開のうまさにゾクリとします。

メイン主人公ニックの視点を中心に、少しずつ仲間との気持ちが通っていく描写や、私たちの住む世界でもあるあると感じる細やかな心情描写や、それに立ち向かう在り方や強い心。
派手に熱いだけでなく、クールにじんわりと熱くなる展開も素敵なおすすめな作品です。

普通の追放モノだと追放する側が馬鹿でなにも考えて居ないように見える場合がおおいですが、冒険者らしさにとらわれ豪快な浪費を繰り返す冒険者、嫉妬から婚約者を陥れた貴族、世間知らずな新人冒険者を騙した詐欺師、上から下まで腐敗しきった聖職者達と馬鹿と悪人とクズではありますが彼らには彼らなりの思惑があり決して主人公に成敗されるために存在するやられ役ではない存在感が有ります。
追放される側も即座に生活の再建を始めたり復讐に燃え即座に立ちあがる事はできず、落ち込み打ちひしがれ悪癖に目覚めてしまいます、そこがまた精神的ダメージを負った実感が有り実に良いです。
だだ主人公四人が陥れられ落ち込み悪癖に目覚めて堕落するのが一人ずつ順番に書かれているのでパーティ結成までが長く現時点では大活躍するところまで話が進んでいません。