イチオシレビュー一覧

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決して綺麗なだけじゃない恋のお話。されどその結末は何よりも美しく。

  • 投稿者: 花逆 狗   [2019年 09月 24日 21時 28分]
この作品で描かれる物語は、決して綺麗な物だけではありません。ですが、醜い物、不愉快なものではないのです。
主人公である紬が得たのは、焦がれるほどに愛しい相手。それによって気づいた、自らの片割れのように思えた双子の紡が自己とは別個の人間なのであるという理解。子供から大人となる直前の不安定な心。
物語を読み進めるうちに、彼の抱える思いは他の登場人物たちの気持ちと複雑に絡み合い、歪な形をとっていきます。

けれど、そんな彼の心に、そっと吹きこんだ風。
心を動かす言葉。
あなたと、恋がしたいです。

この言葉によって始まる、綺麗なだけじゃない、けれど素敵な物語。
そして、その結末は……
是非、皆さん自身の目で確かめてください。
出来れば、お時間をとって一気読みで。

私の中の感情が、地震のように揺さぶられる

  • 投稿者: ミミマル   [2019年 07月 06日 06時 16分]
悲恋とは何なのか?
兄弟の気持。
望まない三角関係。
そして、多角化。
かなわない恋。

全ての歯車が狂ったまま進むストーリーを、うまくわかりやすく表現してくれる作者様。

読後の爽快感はなく、本当にこの先皆が救われる結末を期待してしまいます。

このあと、どのようにストーリーが進んでいくのか?
是非とも、始めからじっくり読んでみてください。

切なさが溢れてくるお話です。

切なく、美しい空気感が漂う、片想いの物語。

甘いだけの恋愛物語とは一線を画す物語。

比較対象が身近、しかも双子の兄弟っていうのは辛いんだろうなぁ。
しかも自分が好きな子は双子の片割れと恋仲。
この時点で僕ならグレる。

でも彼は、この物語の主人公「紬」は、苛立ちを募らせるばかり。

そこに、差出人不明のラブレターが紬の元へ届く。

もうね、グッチャグチャ。
紬の心はグッチャグチャですよコレ。
紬が人の心を踏みにじれる人間だったら、こんなに悩むことはない。
でも、きっと彼は違うんだ。
だから悩むし、苦しむ。
そして如月さんにも八つ当たりをしてしまって、罪悪感を抱えるんだ。

誰も傷つかずにはいられない。でも、誰も傷つけたくない。
そんな主人公「紬」を中心とした、ピュアな恋愛物語です。

これは読んで欲しいなぁ。
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