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作者の趣味が存分に詰まった作品

  • 投稿者: 伊崎詩音   [2024年 02月 07日 01時 32分]
一言で言えばこの作品はレビュータイトル通りである。

戦争を題材とした硬派な世界観。少しのファンタジー要素。Vtuberといった今最盛を迎えているジャンル。

一見噛み合わないこれらを好きという理由で作品にしたのなら、その熱量は賞賛出来る。

内容は少女が仲間と共に戦争を終わらせるために戦い、その中で葛藤や成長を描く物語だ。

よくある物語ではあるが、予想外な展開も絡めつつ王道の展開にもなっており、難しい複数のジャンルをまとめている。

作品内には軍事用語などが多数盛り込まれ、作者の知識量が光る。それを作品内に落とし込もうという努力も好印象。

クオリティーとしてはなろう全体で見れば並程度。荒削りな部分は目につくものの、破綻はしていないように思う。

総評としては航空機好きな人にとっては貴重な作品ではないだろうか。気負わず読める内容と文量でもあるので手に取りやすさも魅力だと感じました。

カーテンを開いて、空を見上げた

 まずはあらすじを読んで、世界観を抜きさえすれば、良い一編の詩にも成りうるのではないかと思ってしまった。綺麗な言葉選びだということがその時点で伝わってくる。

 人はどうしてか空に憧れる。あの空を飛べたらと考えてしまう。
 いつか歌謡曲で歌われたような理由じゃないとしても、多くの人は悲しみながら空を飛ぶ。なのにどうしてか空に憧れてしまうのだ。昔々生まれる前、人は鳥だったのかもしれないと思う程に。

 読み進めると作品愛や、本作を執筆するに至るまでの作者が通ったインプット達が伝わってくるように思えた。
もし、本作を読んでそのインプット達に対してピンと来た読者であれば、通ってきたコンテンツ的にも、本作を楽しんで読む事が出来るだろうと思った。

 そうして、何よりもその色をふと心の中に浮かばせてくれる『群青の空へ』というタイトルが好きだ。
 
 風に煽られないよう頁を抑えて、さあ飛び立とうか。
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