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笑いあり、涙あり、やっぱり笑いありの異世界冒険活劇

やばげな魔導士に道端で因縁をつけられ、レタスに変えられてしまうという天災のような不幸に見舞われた冒険者の男。なすすべなく野菜売り場に並べられた彼を買ったのは、同じ魔導士の手によって人間に変えられてしまったウサギであるという、魔法使いの少女だった。レタスになった男と、おいしそうなレタスさんによだれをたらすウサギ少女が、それぞれ元の姿を取り戻すために協力しあう珍道中が今始まる!

被捕食者としての脅威を感じつつもだんだん心配性の父親みたいになっていくレタスさんと、そんな彼に少しずつ感化されていく辛辣で潔いウサギ少女の、見た目シュールすぎる疑似父子的な関係性が面白い。

タイトルからあふれでる出オチ感を裏切らない痛快コメディであり、骨太な世界観のファンタジーであり、人間レタスとウサギ人間という、文字通り食うか食われるかの関係にあるコンビのバディ小説でもある、読み応えのある連作ファンタジー。

こんなに格好いいレタス、見たことが無いっ!

  • 投稿者: 漆沢刀也   [2019年 03月 23日 18時 39分]
男の名はレザー・カルシス。
性格悪い魔法使いに魔法を掛けられ、レタスにされてしまった。

少女の名はメイス。
元ウサギだが、同じく魔法によって人間の少女にされてしまった。

そんな不幸なレタスは、ウサギに戻りたいメイスの実験体、非常食、そして旅の同行者となる。
二人の目的はただ一つ。『魔法使いを見つけて、元の姿に戻りたい』。
毒舌で食欲旺盛なメイスに、色々と振り回され続ける、レザーの珍道中が始まった。

いやね? このレタスが本当に格好いいんですよ?
道中に困った人達を助けるその姿はまさに、ヒーロー。
読めば読むほど、こんなに格好いいレタスは他にいない、とレタスの虜になること間違い無しです。

不憫なイケメンレタスがカッコいい

 保護者レタス(人間)と捕食者少女(うさぎ)によるコメディ冒険ファンタジー。
 凄く強くてお人好しなイケメンが呪いで丸くて美味しそうな喋るレタスにされた結果、不憫属性のヒーローが爆誕。同じく呪いで少女にされた相棒の子うさぎが見せる食欲に怯えながら、呪いを解くために珍道中を繰り広げる。

 呪いが解ける短時間のヒーロータイムはカッコいいし、レタスであるがゆえの不憫さが面白い。人間を蔑んでいる毒舌子うさぎとの関わりを始め、周囲との関わりに笑ったりホッコリしたり。

 読み終わった後は店先でレタスを見たら「あ、レザーさんだ」と思ってレタスの購買率が上がるでしょう。
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