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ひとつの場面から、その先まで末永く

天才でなんでも発明できてしまう夫が、甘党の妻のためにつくりあげた新発明。それは「材料を入れたら勝手にプリンが出てくる機械」。

さっそく機械を妻にお披露目する夫ですが、困ったことに、この機械には名前が無ありません。
かつて妻に別の発明を見られた際、「この子のお名前はなぁに?」と機械の名前を尋ねられ困ったことがある夫は、その時の失敗を踏襲し、今回は予め名前をつけておきました。

「これはこういう名前でね、こういう機能でね」
と、必死に説明する夫でしたが、今日の妻はプリンに夢中で聞いていない。

そんな噛み合わないように見えるふたりですが、仲睦まじく生涯過ごしたのだろう。
というのが、物語の後半部分で明かされます。

ひとつの場面から、その先まで末永くが想像できるようになっている短編作品です。
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