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【5月11日完全版書籍発売予定】…さびしからずや道を説く、辰巳センセイ?

辰巳センセイは、私たちの高校の国語の先生。

センセイは、教えてくれる。

『舞姫』
『羅生門』
『竹取物語』
『山月記』
『こころ』

希望と恋、嫉妬と怒り、成長した心と愛の記憶、自意識と満たされぬ望み、そして過去と希望。

高校生の中にも、文学に詰め込まれた、同じ気持ちがあるのだと。

辰巳センセイは伝えようとしてくれる。

だから、私もセンセイに伝えたくなってしまった。

でも、頭が良くて顔もいい円城咲耶が、辰巳センセイを狙っている。
センセイは教師と生徒だからとかわしているけれど。
与謝野晶子の歌をセンセイは教えてくれないかな。
私、いじわるかしら?


あなたも、どんなセンセイか確かめてみますか…?


あぁ、でもライバルが増えてしまう…あなたも『辰巳センセイ』を欲しいと思うわ…。

でも、ここでなら。

辰巳センセイを確かめて来ても、いいわよ。

さぁ、早く。まだ間に合うわ。

自分を滅ぼすほど一途に生きたという誇り

  • 投稿者: ひるね   [2020年 06月 15日 19時 31分]
開幕早々階段の踊り場で、血まみれで横たわる女生徒。 駆けつける辰巳先生。

ここから始まるお話で、まさか後半ボロボロと泣いている自分がいるとは想像もできませんでした。

今まさに学生さんで、なんとなく大人を信じられなかったり、漠然とした焦燥感を持っている方。
社会人として、毎日のローテーションをこなす中、このままでいいのかな……なんて、時折何かに押しつぶされそうな瞬間が来る方に、お勧めしたいです。

物語の中に散りばめられた大小の複線が、各章の最後には文豪達の作品の秘話になぞらえて〆られていて……さらにそれが終章で一気に繋がって……。

ただの恋愛×推理小説ではないんです。

あの時こうしていれば……と、胸を掻き毟りたい思い出をお持ちの方にこそ、読んで頂きたいです。
一本しかないと思い込んでいた救いの糸は、捉え方を変えるだけで、実は沢山あるのだと、改めて気づかせてくれる作品です。

国語の授業が好きだった人も嫌いだった人も、学生さんも大人も、みんなまとめてよっといで。教科書に載っている有名作品は、実はこんなにも身近で愛にあふれていたなんて知ってたかい。

みなさんにとって、思い出に残っている先生はどんな方でしょうか。授業が面白かった、生徒指導が厳しかったなど、いろいろな先生がいらっしゃったことでしょう。

そんな印象深い先生方は、受験に必要な知識だけではなく、生きるために必要な考え方を授業を通して教えてくださったように思います。そして私の場合、そういった先生はみんな国語を担当されていたのです。

この作品の主人公は、国語教師の辰巳先生。もちろん魔法なんて使えない彼は、国語の教科書に載っている有名作品を紐解きながら、生徒の悩みに向き合っていきます。女性に対して距離を置いているはずなのになぜかモテてしまう先生には、実はとある秘密があって……。

誰もが知っている文学作品に新しい解釈を加えつつ、名作の登場人物もまた我々と同じ人間なのだと教えてくれます。ちなみにこちら、第8回ネット小説大賞受賞作品。どうぞどっぷりとこの世界につかってみてください。

高校時代に出会いたかったなぁ……と、思わせてくれる作品

高校を卒業したみなさん、あるいは現役高校生の皆さん。
国語の授業に出て来る名作文学って、どう思います?

「舞姫」

「羅生門」

「竹取物語」

「山月記」

「こころ」

実は私、今まであんまり面白いとは思えなかったんですよね。
なんか「試験の為に読まされている」、「内容は良く分からん」って感じで。

はい、私と同じ事を考えていた人は、今すぐ本作を読みましょう。
辰巳先生の授業は、そういった名作文学の真の面白さ、筆者の熱い思いを伝えてくれます。
こんなに面白かったんかい!

そんな名作文学が、現実の恋愛物語と見事に絡み合うのです。
絆と愛で紡がれ、繰り返されてゆくストーリー。

これでつまらないわけが無い!

さあ、始業のベルが鳴りますよ。
心ゆくまで、辰巳先生の授業をお楽しみ下さい。

そして、悩める若者達の恋愛物語も、ぜひ最後まで見届けて欲しい。

渾身の作品には、人生を重ねずにはいられない。

  • 投稿者: 砂礫零   [2019年 12月 14日 12時 59分]
名作がなぜ名作か。

その答えが分かったのは、辰巳先生から授業を受けてから。つまり、本書を読んでからだ。

本書で紹介される作品は、舞姫、羅生門、竹取物語、山月記、こころ。
辰巳先生の解説を通じて再読すれば、いずれも、作者の人生と深く重なり、私たちの人生を重ねてしまう、それゆえに深く心が動く。
そういう作品だった。
つまり、こういうものが名作なのだ。

辰巳先生から授業を受けた生徒たちも、私と同じように心揺れ、人生を重ね、前を向いて歩むことを学んでいったのだろうと思う。

そして本書を読み進めるうち、そうした生徒たちの姿に、私はまた、自分の人生を重ね、心の底から応援せずにはいられなかった。

即ち、本書は名作なのだ。間違いない。

教師と生徒が織りなす――等身大の青春物語がここに!

  • 投稿者: シンG   [2019年 08月 09日 16時 23分]
この作品は、本当に色々な要素が詰まっていまして、読者を物語の世界観に引き込ませる文面が素晴らしい作品です。

――文学。
――青春。
――恋愛。
――嫉妬。
――不祥事。
――先生と生徒。

心や経験は未熟であれど、一生懸命に自分という形を確立させ、青春という荒波を懸命に泳ごうと足掻く生徒たち。

そしてその外側から生徒たちを導き、世論や社会の柵と折り合いをつけながらも、生徒の道標にならんとする教師たち。

ブラックコーヒーにミルクや砂糖が混ざり合うように、2つの要素が絶妙に溶け合い、それを喉に含む読者に様々な感動を与えてくれる素晴らしい作品となっております♪

誰もが経験する学校という環境を題材にし、現実に起こりえる物語だからこそ――感情移入しながら読み進め、同じ目線・等身大の世界を楽しめると思います!

特に……苦境を乗り越え、恋に燃える生徒の情熱は見物ですよ♪

是非、ご一読を!!

国語苦手!&恋愛系はちょっと……なアナタが一番読むべき良作ですが……如何ですかね?

だがしかし、しのごの言わずに今すぐ読め。

……やぁ、変態紳士の稲村某だ。今日は一風変わった国語教師が主役の小説を薦める。舞台は高校。出演者は職務に忠実だが、情と教養を兼ね備えた先生。そして自らに忠実だが、奔放さと利発さを兼ね備えた女生徒達。

そんな彼と彼女達は、小さな事件と授業の境目の間を行き交いながら、互いの心情を僅かに垣間見せつつ、物語を織り成していく。


……だがしかし、スパイスとしての僅かなサスペンス(そこまで強くはないぜ?)、そして恋慕の情が物語を豊かに彩り、そして色付けていくんだぜ?

一編辺りの字数は軽やか、物語の運びも軽妙! おまけにタイトル作を読み込んだ位に詳しく学べるとか……得しかねぇっての!!

黙って今すぐ読め。特にタイトル作を学んでいる最中の学生なら必須だぜ?

……ただ、一人の女生徒がやや腐な視点をぶち込むから、惑わされんように。スパイス其の弐だが……ね。

Pity's akin to love ―可哀想だたぁ惚れたってことよ―

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 07月 20日 14時 31分]
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『Pity's akin to love』

 本作は、夏目漱石の「三四郎」で引用された上記のフレーズを思い出させます。

 日本語で訳せば「恋慕と哀れみは根が同じ」。
 プロシュート兄貴が訳せば「『可哀想』と心の中で思ったならッ! その時スデに恋が始まっているんだッ!」といったところでしょうか。

 要は「感情を動かされたのなら、それは恋をしたも同然」なのです。森鴎外の「舞姫」でエリスの境遇に同情を示したならば、その時点で「舞姫」という作品に引き込まれているかのように。


 本作のヒロインたちが心に抱いた透き通った恋心は、読み手の心を揺らします。心が揺らされたのなら、それはもう、この物語に「恋」をしているといってもいいのかもしれません。

 コミカルさを織り交ぜながらも優しく滑らかな文体で描かれた恋模様の数々は、本当におすすめです。ぜひ読んでみて、この物語に恋をしてみてください。

読むと国語の偏差値がアップする恋愛ものライトノベル

  • 投稿者: 樋口諭吉   [2019年 07月 06日 15時 47分]
 堅いタイトルとは裏腹に、「年の差」の恋愛がメインの読みやすいライトノベルです。

 そう。この作品の本質は、年の差の恋愛がテーマの学園モノライトノベルなんです。

 ただし普通じゃ、ありません。

 リアルな教師の内情、精緻な心理描写、そして何より……、何が凄いって、過去の文豪の偉大な作品による伏線の補強です。

 本を読む人は思わず唸るはずです。
 こう来たか、と。

 本作は、読むだけで国語の偏差値がアップする、不思議な恋愛ものライトノベルです。おすすめ!

もう一度、通おう。理想の恩師のもとに。

かつて通った、あるいは今通う学び舎で。
諸君は、敬愛出来る恩師に出会えただろうか?

出会えたなら幸運だ。その縁は人生の宝だろう。
しかし、出会えなかったなら……?

――大丈夫、心配は要らない。
ここに、本作があるからだ。

都合の良い妄想ではない、現実的な……けれど苦い面もあるからこそ青春の舞台として輝く『学校』があるからだ。
歴史的名作を、分かりやすく丁寧に、かつ深く解説してくれる『授業』があるからだ。

そして……最高の『先生』がいるからだ。

男女問わず、子供と侮らず、しかしその幼さを理解した上で、生徒一人一人に、人間として真正面から向き合ってくれる――『本物の教師』が。

事件を追う中で語られる教えは、事件そのもののテーマとともに、きっと諸君に快い感動をもって刻まれるだろう。


……そうだ。『恩師』ならここにいる。
だから、改めて通おう――。

〈辰巳先生の国語科授業〉に。
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