イチオシレビュー一覧

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等身大の主人公の歴史物語

  • 投稿者: 秋鷽亭   [2023年 05月 29日 00時 15分]
歴史ものでは、チートとも言われる能力を使って活躍する主人公の作品も多くあります。

しかし、この物語は、確かに主人公の内政の才は、他よりも高いかもしれない。
でも、それは、決して、逸脱しすぎることなく、現実にも起こせるようなものだと思う。
それは、主人公の出生が関わり、既成概念にとらわれる事がないからかもしれない。

そして、物語の終わり方は、人それぞれではないかと思う。

その後の物語も、別途つづられていく。
悲劇を回避し、悲劇を生み、悲劇が消えていく物語。

良質な架空戦国絵巻です

この作品を知ったのは昨日の夜でした。
そしていま、読み終えてこれを書いています。
完徹しました。
この年齢で徹夜は厳しいです。
作者様は、どう責任を取ってくれるでしょう?

正直に言いますね。これまで読んだ架空戦国絵巻のなかで、最も良質な一作だと思いました。
主人公と秀吉の出会いから、そして終焉まで。
優しさと気遣いで、駆け抜けるのではなく歩き続けた一代記。
南野雪花が、自信をもってオススメできる逸品です。

ただ、申し添えるなら
6章くらいずつ区切って読むことをオススメします。
ええもう、徹夜はつらいですよ?

第二回いっくん大賞で採点で満点を付けさせて頂きました。

  • 投稿者: 退会済み   [2020年 03月 15日 21時 58分]
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主人公は無名の子供、名を雲之介。しかも、飢餓状態で死にそうな子供。
そこに若き日の秀吉が現れます。この登場の仕方というのが、なんの変哲も無い登場のはずなのに、ものすごく印象に残っています(私が技法を知らないだけかもしれません。ごめんなさい)。
街中でちょっとした事件をきっかけに、秀吉は信長の家来に雲之介は秀吉の家来なので家来の家来になります。その際の信長の描写もかっこいい。この作品の登場人物全てに言えることですが、なんてことない人達なのに魅力的なんですね。信長の兄も、妹も、実に活き活きとしている。
それぞれに正義があり、人生があり。でも、その人達が行き着く先は……。それは歴史が示す通りです。
死が身近であったこの時代。如何にして生きるか、それだけを考えて生きて。しかし、人として到達するべき域に最も近かった時代なのかもしれません。

不思議な魅力のある架空戦記 〜 感情移入しすぎに注意です!

  • 投稿者: 夕凪ナギ   [2019年 08月 15日 17時 51分]
歴史物って、少し敷居が高いですよね。
でも、この作品はイフ戦記だということもあって、とても読みやすい文章で書かれています。歴史ジャンルに初挑戦してみたいなという方にもオススメです。

私は、戦国時代の話は、頭の中の史実と照らし合わせ、次はこうだろうなと考えながら読む癖があります。予想どおりのときもあれば、見事に裏切られることもあるんです。ええ〜っ? と頭の中の史実を組み立て直し、次の展開を予想しながら読み進めるのが楽しいです。いい感じに外してあるので、こう来たか〜と、思わず呟いてしまったり(笑)

そして、何より、心が揺さぶられます!!
私の場合は、十数話読むごとに、揺さぶられポイントがありました。真夜中に読んで、感情移入しすぎて涙が出てしまったことも。

切なくて優しい恋の話もあり、乱世の時代の悲劇もあり、読み進めるごとに優しい気持ちになれる不思議なオーラを放つ作品です。是非あなたも♪

今よりも、命が安い時代の物語。

  • 投稿者: 熊ノ翁   [2019年 07月 06日 10時 19分 ()]
戦国時代。
秩序が崩れ、力が無ければ生きることすら許されない修羅の時。

裏切り、謀略、暴力による殺し合い。
命のやり取りが当たり前だった時代。
出し抜かれれば家族全員命は無く、一族郎党家臣もろとも死に絶える。

そんな戦乱の世にあって、まっすぐに生きようとする少年は一人のサル面をした青年と出会う。
彼の名は、木下藤吉郎。
のちに彼はこう呼ばれることになる。
豊臣秀吉、と。

戦国時代随一の曲者と、戦乱の世にそぐわないまっすぐな少年。
曲者と正直者は、激動の時代をどう生き抜くのか。

歴史は繰り返すのか。
それとも正直者は時代を変えるのか。

織田、徳川、武田、明智、そして猿と少年。
思惑が錯綜し、道理と実利のはざまで揺れ動く天下統一の羅針盤は、その針の先に誰を示すのでしょう。

教科書には乗らない物語。
ありえたかもしれないもう一つの戦乱劇。
あなたなら、天下人に誰を選びますか?

現代の恋愛観から離れてみて分かる、良さがある。

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 05月 22日 23時 32分]
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作者曰く「恋は命がけ」。

この物語の主人公「雲之介」の恋は成就しない。
それは、お市の方のその後を知る我々には分かっているのだけど・・・それでも見守ってしまう二人の関係。


セピア色の曇天
その薄くなった部分
月あかりが鱗模様を浮かび上がらせる
やがて雲間から
丸い月が顔を覗かせる
一瞬の邂逅
風に吹かれて雲は再び月を覆う

闇一色、暗転である。





英雄たちと凡人?

  • 投稿者: 暮伊豆   [2019年 04月 27日 14時 35分]
歴史に『もし』はない。
よく言われることだ。
しかし『もし』を追い求めてしまうのが人の性。

英雄たちの群に凡人を放り込んだらどうなるか。
そもそも本当に凡人なのか。

織田がつき、羽柴がこねし天下餅
流れに乗って雲はいずこに……

現時点では桶狭間を目前に控えている。
茶の湯の修行を一旦終えて戦場に向かう主人公の活躍に乞うご期待!

諸君! 歴史改変は好きか?

  • 投稿者: 退会済み   [2019年 04月 23日 18時 36分]
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歴史好きの君なら一度は思った事があるだろう。
"If" そう、あの時ああしていれば、結果はもっと変わった筈だと。

歴史とは英雄譚ではなく、様々な人や思惑が複雑に絡み合って作られている。
故に、たった一人の蟷螂の斧が大きく事態を変える事さえも起こり得る。

さあて、お立会い。
時は戦国、尾張の国。
もし、後の太閤秀吉となる木下藤吉郎にイレギュラーとなる「雲之介」という少年と出会ってしまったなら?

その少年にはそれまでの記憶はない。なのに何故か放っておけない存在。
気が付けば、織田家に関わる様々な人物に影響を与えていく。

やはり悲劇は繰り返されるのか? それとも誰もが笑う結果となるか? 
 ── 侘寂(わびさび)の心境で紡がれる物語を見守って欲しい。
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