イチオシレビュー一覧

優れた物語というものには、行間から立ち上る雰囲気というものがあるといいます。この物語には、それがはっきりと存在しています。

主人公2人の関係性は生涯の幼馴染です。ただ、「恋人」ではありません。あくまで「幼馴染」です。ここについては、恐らく何となくわかる方が多いと思いますし、2人の過去がまだ詳しく語られてない(36話現在)ので説明を省きます。

僕が説明したいのは、上で述べたように、その「雰囲気」です。
現在、年間1位を納めている例の直接的なあまあま物語と違い、こちらはホッとする様な雰囲気があります。
また、「落ち着いている」のは間違いないですが、だからと言って、マンネリしてる訳では無いのです。
物語そのものの説明ではないので、分かりにくいかもしれません。
ですが、少しでも読めば僕の言いたいことが理解出来ると思います。
ということで、結局言いたいのは「とにかく読んでみろ」ということです。笑

200%完璧なヒロインを幼馴染にもつ主人公。
お互いに相思相愛、まるで夫婦のような関係であるにもかかわらず、恋人同士ではありません。
これは・・・完璧すぎるヒロインに対するコンプレックスで、主人公が彼女に対して一線を越えることができないのです。学校では二人の関係を隠し、二人が素に戻れるのは、帰宅してから。
そんな主人公を、ヒロインは温かく見守っていきます。

二人の関係を進めるため、主人公の背中をガシガシ押したくなるようなそんなもどかしさと、二人の間に誰も入っていけないような関係の強さをたのしめる作品です。