イチオシレビュー一覧

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ことのははこころの旅をする『妾妃』『辺境伯』『姫』……

 妾妃は小説家になろうの造語?
 辺境伯はのんびりスローライフな田舎貴族?
 姫って実は一族の名前? 藤原さんちみたいなもの?

 我々が使う言葉は偉大な先人たちが異文化と異文化をつなぐべく漢語から生み出したものが少なからずある。例えば経済は経世済民を用いた言葉だ。
 本作は中国古典などの資料から辞書に載っていない小説家になろう独自の造語と思われる言葉から誤用甚だしく侯爵や国境線などを守る実力者貴族でスローライフとは縁遠い辺境伯、あるいは日本語のヒメの当て字である姫までを丁寧に説明してくれる。
 全く価値観も社会も違う世界を繋ぐ言葉。それはまた異世界の異文化の言葉。わからないものをわからないなりにわかるように変えていく工夫と思慮にあなたは先人たちの偉大さを感じるはずだ。

 異世界から異世界へ。言葉の旅を漢語で始めませんか。
 
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