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近くて遠い『村社会』に投じられた美しい『異物』

  • 投稿者: 樋口諭吉   [2019年 05月 27日 19時 50分]
近くて遠い、しかしリアルな村社会に、異物が現れた。

村、そして『個々人によって微妙に異なる宗教観』は、とある美しい女性をきっかけに移り変わっていく。果たして人々はどんな成長を遂げ変わっていくのだろうか?

そんなことを考えさせられる作品です。

なろうはラノベのみと侮るべからず。本作には本物の小説がもつリアリティがあります。

普段作者さんが恋愛的な感情表現に向けられている、繊細な雰囲気、丁寧な描写が、この作品においては、村社会の陰鬱とした雰囲気、宗教観のリアリティの醸成に向けられています。

社会がどう変わるのか?、主人公がどう変わるのか? その成長の行末を、あなたもご一緒に見届けてみませんか?

本作は異色。タイトルで損をしてるとも思います。

しかし、小さな世界に沸き立つさざなみに注目したい。そんなあなたには、確実におすすめできる作品です。
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