イチオシレビュー一覧

許容を越えた人数を乗せたバスが、急カーブを曲がりきれずに崖下まで転落した近年最悪のバス事件。運転をしていたのは、主人公である逢坂部だった。
ニュースに取り上げられ、彼の顔と名は瞬く間に拡散された。取材をしに現れる報道陣、被害者からの罵声。両親からの心ない言葉。彼の心は精神的に追い込まれていた。
ストレスによって記憶が曖昧になってしまった彼は、心を癒すため旅に出ることを決意する。あてもなく漂い、岩手県の海を眺めていた。そんな彼の前に、妖艶な雰囲気を纏う女性が現れる。
次第に彼は空いた心の穴を埋めるかのように、女性に惹かれていく。だが、彼を待ち受けていたのは女性の意外なる真実だった。
これは、彼が体験したある夏の思い出。夢なような、嘘のような恋の物語。

あの日みた空の色は、青か？蒼か？何色だったでしょうか？