イチオシレビュー一覧

主人公の少女は画家の名家の令嬢で、天才的な絵の才能を持っています。

少女のまわりにいるのは、二人の異性です。
その片方は絵の先生にあたる人物です。

個人的には、少女と絵の先生の「芸術」に対する向き合い方にすごく考えさせられるものがありました。

”一生をかけて極めたい”と思えるものとの出会いや、自分よりも圧倒的に上手な人、物を見たときの衝撃。常についてまわるもどかしさ、悔しさ、希望。

彼らの真摯な姿勢は、決して、絵だけに限ったことではなく、他の趣味や仕事などにも当てはまるものだと感じました。

繊細に描かれた少女の生き様が、ありありと描かれた作品です。

男装の美しいロゼル・キーラは、妖精のような親友エルゥを“描きたい”とずっと思っている小さな天才画家。しかし、まだその美しさを表現できない焦燥感に苛まされている。

十歳年上のイデア・リースは、ロゼルに初めて“越えてみせる”と思わしめた画力の家庭教師。イデアの想いは師弟としての関係を越え、ロゼルへと近づいていく。

ある夜、晩餐会に令嬢として正装したロゼルをエスコートし、ワルツを踊ったのは皇子ノエルだった。ロゼルの元には異国へと発ったノエルから手紙が届くようになる……。

本作は、とにかく描写が優雅にして繊細で美しく、絵や音楽といった「芸術」好きには堪りません。全体的に雰囲気がゆるふわで読んでいるだけでその世界観に癒やされます。
作中挿絵は作者様自身のイラストで、その絵がまたプロ並みの美しさ。それだけでも一見の価値有り。

優しく、美しいものを求めている方には是非お勧めしたい物語です。

　タイトル以上に申し上げることがありません。
　性癖ホイホイだな、と思った方はもれなく読んでいただければと思います。ご本人による挿絵もあり、イメージもかなり正確に伝わってきます。

　芸術の学校を卒業したての絵描きと、画家一族のはねっかえり幼女の出会い。そして当然のようにはじまる絵描き同士の衝突と……？

　シリーズ管理されている小説であり、別長編の派生作品なのでとっつきにくいと思われるかもしれませんが「こちらを読んで興味が出たら本編を読むのもあり」というくらいの関連性です。ただし、長編作品の方を読むと、この二人がその後どういう関係になだれこむかは一部ネタバレする部分もあるのですが……。そちらもまだまだ進行中で目を離せない展開ではあります。

　とにもかくにもタイトルを見て「性癖……」と思われた方には立ち寄りをおすすめいたします。