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頬を濡らさぬ無音の慟哭

  • 投稿者: 宵凪海理   [2020年 02月 04日 07時 24分]
春夏秋冬、いつでも長袖を来ていた彼の思い出。
高校一年の夏休みに言葉を交わして、二年生になってからも交流していた。
けれど、それは当たり障りのないもので終始し……
初めての会話ほど踏み込むことは無かったのだ。お互いに。
むしろ、最初の時に彼はいつも以上に、多くを語っていたのだ。
察するには言葉が足りず、誤魔化すにしては言い過ぎた。
私が最後に想像した益体もない考えが、正解なのか。
真意は彼しか知らず……紡がれぬ気持ちに想いを馳せる静かな短編。
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